MUCC(ムック)がメジャー復帰後初のNewAlbum、『1997』が4月2日にリリースされました!昨年2024年6月メジャー復帰第1弾となったシングル曲「愛の唄」、同年12月に配信リリースされた「invader」、「October」シングル3曲を含む、渾身の16曲を収録した内容となっています。
NewAlbumタイトルの「1997」は「MUCC(ムック)結成の年」でもあります。今回、この表題(タイトル)を掲げた意味を深堀りするうえで、デビュー当時の作品を中心に取り上げてみたいと思います。初期作品を取り上げたうえで4月2日発売のNewAlbum「1997」がどのような作品なのか全曲レヴューしてみたいと思います。
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- この記事を読んでわかること
- NewAlbum「1997」について
- NewAlbum「1997」収録曲について
- 先行シングル「invader」を聴く
- 先行シングル「愛の唄」も聴く
- 『1997』全曲をレヴューする
- 01. Daydream[作曲:ミヤ]
- 02. 桜[作詞・作曲:ミヤ]
- 03. 蜻蛉と時計[作詞・作曲:ミヤ]
- 05. Boys be an Vicious[作詞・作曲:逹瑯]
- 06. Guilty Man[作詞:逹瑯 / 作曲:ミヤ]
- 07. B&W[作詞・作曲:ミヤ]
- 08. October(2025 Remaster)[作詞・作曲:逹瑯]
- 09. LIP STICK[作詞:YUKKE / 作曲:逹瑯、ミヤ]
- 10. Round & Round[作詞・作曲:ミヤ]
- 11. △(トライアングル)[作詞:YUKKE / 作曲:YUKKE、ミヤ]
- 12. 不死鳥[作詞・作曲:逹瑯]
- 13. 空っぽの未来[作詞:逹瑯 / 作曲:YUKKE、ミヤ]
- 14. 蒼[作詞・作曲:ミヤ]
- 16. Daydream Believer[作詞・作曲:ミヤ]
- MUCC(ムック)の原点1990年代とは?
- さいごに
この記事を読んでわかること
- NewAlbum、『1997』の概要がわかります。
- MUCC(ムック)の音楽的原点を振り返ることができます。
- MUCC(ムック)の目指す未来を予測します。
私が、MUCC(ムック)にふれたのは、2002年当時、アルバム『葬ラ謳』収録の「絶望」をテレビで聴いたことがきっかけでした。当時、ヴィジュアル系が下火になる中で「将来性あるバンド」が出てきたと思ったことを昨日のことのように覚えています。
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NewAlbum「1997」について
新譜リリース情報として、記事から引用します。
アルバム・タイトルに冠せられた”1997″はまさしくMUCC結成の年であり、この数字を引用したことは、ファンならずとも大いに気になるところだろう。このタイトルは、彼等が原点回帰を目指す意思を示したものなのか、それともこれまでの音楽歴を総括する意味を込めたものなのか、はたまた過去に区切りをつけ新たなステップへ踏み出す宣言なのか。その答えは、アルバムに収められた16曲全てを聴き終えたときに見いだせるかもしれない。その意味でも、アルバムの全容を聴ける日を楽しみにしてほしい。
引用:MUCC、ニュー・アルバム『1997』4/2リリース決定! | 激ロック ニュース
上記、リリース情報からわかることを要点としてまとめます。
- 「1997」は、MUCC(ムック)結成の年であること
- 「1997」を原点回帰ととらえるのか?
- 「1997」を総括し、新たな音楽性へ飛躍するのか?
※POINT:多作で知られる、MUCC(ムック)「1997」は、今作で通算17枚目の作品になります。原点回帰ととらえるか?新たな音楽性への飛躍となるか?タイトルの「1997」の解釈次第でどう捉えても面白いターニングポイントとなる作品だと言えます。
NewAlbum「1997」収録曲について
現在、4月2日にリリースが決定している「1997」ですが、公式でアナウンスされている情報をもとに収録曲を紹介します。
[CD]
1. Daydream
2. 桜
3. 蜻蛉と時計
4. invader(2025 Remaster)
5. Boys be an Vicious
6. Guilty Man
7. B&W
8. October(2025 Remaster)
9. LIP STICK
10. Round & Round
11. △(トライアングル)
12. 不死鳥
13. 空っぽの未来
14. 蒼
15. 愛の唄(2025 Remaster)
16. Daydream Believer
全16曲収録
[Blu-ray] ※初回限定盤
LuV Together 2024
2024.09.16 EX THEATER ROPPONGI
1. 睡蓮
2. 娼婦
3. サイレン
4. 愛の唄
5. 1979
6. Violet
7. G.G.
8. 目眩 feat. 葉月(lynch.)
9. ニルヴァーナ
10. 蘭鋳 feat. reiki(キズ)
11. 大嫌い feat. YUKI-Starring Raphael-, アンティック-珈琲店-, lynch., キズ
引用:MUCC、ニュー・アルバム『1997』4/2リリース決定! | 激ロック ニュース
先ほど、MUCC(ムック)は多作だと説明しました。すごいのは、多作なうえに、一つの作品に対して収録曲も多い(今作は16曲!)ことが特徴です。直近の作品では音楽性の幅が広がることで、楽曲が多くても内容に飽きさせないことも、MUCC(ムック)の魅力です。
先行シングル「invader」を聴く
不穏な、前奏から始まり「初期のMUCC(ムック)」を思わせるアプローチから、「invader」は始まります。MVでは、狭い空間で3名が演奏するシーンが流れますが「密室系」を彷彿とさせます。
ピアノをアレンジメントしているので聴きやすさもありますが、疾走感あふれるビートと相まって、初期のような重苦しさは軽減されているように思えます。
特質すべきは、達郎の歌詞だと思います。「洗脳」「心臓」「全能」「幻想」「妄想」と韻を踏みながら、リスナーのテンションを上げるボーカルのポテンシャルはまだまだ成長の余地ありです。
全体の感想として、アルバム『球体』を思わせるような、「ヘヴィに展開しつつサビの哀愁メロで疾走する感じがまさにMUCC(ムック)」という感じでした。過去と現在が行き来する展開が長年視聴しているファンには満足できる内容だと思います。
【MV「invader」を聴くなら:MUCC 『invader』MUSIC VIDEO】
先行シングル「愛の唄」も聴く
先行シングルでもあり、タイトル「愛の唄」から「前向きで明るい雰囲気」を予想していましたが、良い意味で期待を裏切られました。上からマイク吊り下げられた演出がかっこ良くて、導入部分の達郎が魅せる表現力から始まり一気に世界観に引き込まれます。
場末のスナックを背景に「S〇Xくらいじゃ天国にイケやしねぇ」と謳う達郎の色気が満載!MUCC(ムック)は楽曲の幅も広くアレンジの引き出しが多く、「過去の○○に似ているよね」なんて安易に言えません。
彼らの特徴として、音楽性の幅の広さから楽曲がカテゴリー分けが出来ません(嬉しい苦悩です)。
【MV「愛の唄」を聴くなら:MUCC 『愛の唄』MUSIC VIDEO】
暗く密室で淫靡な音と歌詞の混沌に引き込まれる快感がそこにありました。さらに「愛の唄」と90年代にフォーカスしてみます。
ミヤ 25周年の活動中に、過去のアルバムの再現ライブなどを通して昔の作品と向き合う時間があったんです。その中で次にやってみたい新しいことも考えていたんですが、自分たちのバックボーンというか、思春期に聴いていた90年代の音楽を掘り起こしてみたら面白い音楽ができるんじゃねえか?という。
──なるほど。「愛の唄」には、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」のフレーズが引用されていますね。
ミヤ あれは完全に遊びです(笑)。90年代の音楽って、自分たちがバンドを始めた頃はリアルタイムだったし、“近い感覚”があったので実はあまり取り入れてなかったんですよ。でも、それなりに経験を重ねてきたことで当時の音楽が「どういう影響のもとに作られた音楽なのか」ということも解析できるようになって。それを踏まえて作ったら面白くなるんじゃないかという思いもありましたね。
逹瑯 「愛の唄」はデモの段階から独特の空気感や湿度があって。言葉が乗っていない状態でも独特の色や匂いを感じたし、メジャーと契約して、一発目のシングルでこのクセの強い曲を出せばファンがビックリするだろうなと思いましたね。同時にMUCCとしてもしっくりくるだろうと。
YUKKE 今回のリリースに向けて自分も曲を作ったんですけど、ミヤが持ってきた「愛の唄」のデモを聴いたときに「こっちだな」と思いました。MUCCらしいダークな雰囲気もあるけど、ギターのフレーズやコーラスはすごくキャッチーで。この曲が街中やいろんな場所で響いている光景は面白いだろうなと。
「愛の唄」という、タイトルだけを見ると、ポップでさわやかな曲か?壮大なバラード?を想像するところですが、それをすべて裏切る曲になったと言えます。
『1997』全曲をレヴューする
全曲を通して、感じたことは「ムックのルーツとは何か?」ということを突き詰めた作品だと思います。外に意識が向いたときに、先にふれたように90年代のビジュアル系からの影響を感じさせる楽曲だけでなく、洋楽からの影響も感じさせられました。
逆に、内側に向いたときに、ムックの音楽性と向き合った末に生み出された楽曲の数々がそこにはありました。「△(トライアングル)」や「LIP STICK」など、新しい解釈も提示されています。
結成30周年を見すえたうえで「今一度、自分たちの音楽のルーツ」を再認識する作業だったのでは?と感じました。という訳で、全曲解説していきたいと思います。
01. Daydream[作曲:ミヤ]
アルバム1曲目は、イントロダクション「Daydream」から幕を開けます。90年代のビジュアル系作品はインスト曲から始まることが多い(黒夢がブームを作ったとか)けれど、耽美でゴシック的というより、アルバムの導入的な役割を務める1曲。
02. 桜[作詞・作曲:ミヤ]
この曲は、ムックらしいタテノリのリズムに重たいリフが重なる、90年代ミクスチャーをバック背景にもつバンドサウンドが前面に出た1曲。文句なくカッコイイ!!の一言。オープニングらしく、ライブでも1曲か2曲目に置いても盛り上がりそう。タイトル「桜」と相まって物悲し気な歌詞とメロデイが印象的です。2番目にはいるとスカのリズムに乗って加速していく感がドライブしていてテンションも上がります。
03. 蜻蛉と時計[作詞・作曲:ミヤ]
3曲目では、さらに音の重たさが増して、90年代後半に流行った「ラウドロック」をムック流に解釈した1曲。この曲もライブではタテノリに頭振ること間違いなし。逹瑯のラップ調なボーカルとシャウトを織り交ぜて咆哮するするスタイルも胸を打ちます。
05. Boys be an Vicious[作詞・作曲:逹瑯]
4曲目「invader」をはさんで、5曲目は、デジタルハードコアにアレンジされていて、個人的にはドラゴンアッシュっぽい雰囲気を感じさせる1曲。インタビュー曰く、リーダーのミヤさんの提案で出来上がった楽曲とのこと。インディーズ時代、THE MAD CAPSULE MARKETSのカバー曲を演っていたことからアイデアが出たとか。
06. Guilty Man[作詞:逹瑯 / 作曲:ミヤ]
先行シングル「愛の唄」と同時期に作成された楽曲とのこと。最初のドラムの音を聴いた瞬間に「ダークサイド」な雰囲気を感じさせる不穏な1曲。激しさの合間にみせる歌謡曲テイストされた、ムックだから表現できる楽曲になっています。
07. B&W[作詞・作曲:ミヤ]
アルバムの中盤を担う、「B&W」が7曲目。今までの流れと違う、ミディアムテンポな楽曲。インタビュー記事では、ブリティッシュロックのイメージで作成されたと語られています。ダンサブルな曲調で跳ねるベースが聴かせてくれます。
08. October(2025 Remaster)[作詞・作曲:逹瑯]
前曲「B&W」からの流れで、「October」で雰囲気がさらに変わります。いわゆる聴かせる系のミドルテンポ(バラード寄り)の楽曲。ムックの持つもう一つの顔である「フォーク」の影響も感じさせる良曲になっています。一方で激しさも感じる演奏パートもあり、バンドとしての幅の広さを感じさせます。この曲は、ライブで成長しそうな予感がします。
09. LIP STICK[作詞:YUKKE / 作曲:逹瑯、ミヤ]
アルバムの中で異色を放つ「LIP STICK」、ドラムのテンポが90年代を通り越して80年代を感じさせる昭和な楽曲に聴いていて笑みがこぼれます。中盤のシンセサイザーのソロなどは、もろ80S(笑)音楽を楽しんでいるというスタイルが表現された楽曲と言えます。
10. Round & Round[作詞・作曲:ミヤ]
今までのムックには無いようなタイプで冒険曲ともいえる「Round&Round」インタビュー記事では、90年代初めの尖ったヴィジュアル系「ZI:KILL」をオマージュされたと、ミヤさんの談話。
逹瑯 最初は「この曲、冒険しすぎじゃねえかな」って思ったんですよ。これまでのMUCCの楽曲と明らかに毛色が違うというのかな。俺も好きな感じの曲だし、やろうとしていることもわかるんだけど、ZI:KILLをトレースしすぎかなと。でも、アルバムの中に入ったら思った以上にしっくりきたし、ライブでやったらめっちゃカッコいいんですよ、この曲。音源を聴いてアガる人は、ライブだとさらにアガると思います。
引用記事:MUCC「1997」全曲解説インタビュー|自らの通過点を見据え、生み出した珠玉の16曲 (2/3) – 音楽ナタリー 特集・インタビュー
私は、「ZI:KILL」は通ってきていないので、素直に曲に耳を傾けていました。個人的に消化するには時間がかかりそうなスルメ曲です。
11. △(トライアングル)[作詞:YUKKE / 作曲:YUKKE、ミヤ]
これまた、異色な雰囲気で作り込まれたアレンジが印象的な楽曲「△(トライアングル)」、ドラムとリズム隊の掛け合いにギターが乗っかって、演奏を楽しめる楽曲です。イヤホンでこの曲を聴くと演奏の臨場感が伝わって、この曲の魅力がわかりました。
12. 不死鳥[作詞・作曲:逹瑯]
歌で聴かせる、ミドルテンポなナンバー「不死鳥」、抽象的な表現ながら「創造と破壊」や「終わり(死)と始まり(生)」を感じさせる壮大な歌詞にも注目。作詞を担当された逹瑯さんも、この曲の歌詞に関しては産みの苦しみを告白されていました。
逹瑯 27、28年くらいバンドをやってると、歌詞を書くのもだんだん大変になってきて。「October」みたいに実際の出来事が元になる場合は違うんですけど、歌いたいこと、言いたいこと、明確なテーマみたいなものは出にくくなってくるんですよ。昔は湯水のように出てきたのに、昨今は絞り出している。そういう現状を歌詞にしてみようと思ったんですよね。最終的にはネガティブではなくて、「ここからもう1回、羽ばたいていきたいよね」と、光が見える感じで終わらせたいなと思いながら書きました。
引用記事:MUCC「1997」全曲解説インタビュー|自らの通過点を見据え、生み出した珠玉の16曲 (2/3) – 音楽ナタリー 特集・インタビュー
13. 空っぽの未来[作詞:逹瑯 / 作曲:YUKKE、ミヤ]
終盤に向けてポップテイストに仕上がった楽曲。アレンジや構成によってはシングル曲になってもおかしくない感じもしますが、この曲も「愛の唄」と同時期に製作されたとのこと。明るくキャッチーなメロディーラインが光る一曲です。
14. 蒼[作詞・作曲:ミヤ]
陰鬱に聴こえるサウンドが、レディオヘッドに通じるようなオルタナティブを感じる楽曲。中盤に入るリフもニルバーナを感じさせます。11曲目の「△(トライアングル)」も、そうですが、80年代から90年代の洋楽もバンドの中で昇華されてムックとして表現できる力があるのだと実感させられます。
16. Daydream Believer[作詞・作曲:ミヤ]
15曲目に「愛の唄(2005Remaster)」をはさんで、ラスト「Daydream Believer」より。「1997」のリード曲として、2025年3月5日より配信がスタートされました。最後を飾るにふさわしい、まさにムックの軸となる楽曲と言えます。MVではギターの音が面前に出ていてロックテイストで勢いがあります。ライブでは、アルバム発売前から演奏していたらしく、ファンからも好評とのことです。歌へのアプローチもこだわったとのことで、曲全体を通して未来を感じさせる曲となっています。
【Daydream BelieverのMVを観るなら:MUCC 『Daydream Believer』MUSIC VIDEO】
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MUCC(ムック)の原点1990年代とは?
MUCC(ムック)は、1997年に茨城で結成された3人組ヴィジュアル系ロックバンドです。メンバーは逹瑯(Vo)、ミヤ(Gt)、YUKKE(Ba)の3人。ですが、結成から24年間はSATOち(Dr)を含めた4人体制で活動を続けてきました。約20年の活動期間中、長期間の休止もなく続けてこれたこともすごいの一言です。
cali≠gariの主宰するレーベル、密室ノイローゼよりより、2001年に1st「痛絶」作品を発表します。まさしく「KORN直系のヘヴィネス」に魅了されたことを覚えています。リリースと同時に精力的にライブ活動にも力を入れてきたMUCC(ムック)は、翌年の2002年に早くも2nd「葬ラ謳」をリリース。前作「痛絶」を継承した「痛みと絶望」をより深化させ、よりダークな面を強化していきます。カバー曲「およげ!たいやきくん」をMUCC(ムック)色に染め上げるなど、バンドのセンスも光ります。
そして、メジャー・リリースとなった3rdフルアルバム「是空」を2003年にリリース。メジャーに移籍しても音楽性は変わらないどころか、よりヘヴィネスが増し「SlipKnoT」を彷彿させる暴力性に加え、歌詞の内容も重く息苦しさが作品全体を包みます。シングル曲で先行発売された「我、在ルベキ場所」がリアルタイムで追いかけた作品でした。思い出深いです。
1990年代初期の3作品を通してMUCC(ムック)の音楽性について解説してみたいと思います。
MUCC(ムック)初期の音楽性とは?
初期MUCC(ムック)の音楽性を貫くキーワードをいくつか挙げるなら
- 多弦ギターとベースを用いたヘヴィネスで重たい音圧
- 徹底的に絶望を表現した暗く痛い歌詞
- フォークと歌謡曲に影響された昭和チックなメロディーライン
- ジャズやシャッフル調を効かせたミドルテンポな楽曲も良い
でしょうか?1stアルバムのタイトル「痛絶」をみても想像がつくと思います。初期の作品全体を通して痛みや孤独、不安や苦しさなどを表現した歌詞からも伝わります。初期の作品は「密室系」と呼ばれる閉塞感から絶叫ともいえる楽曲「盲目であるが故の疎外感」や「絶望」、「黒煙」、「茫然自失」、「我、在ルベキ場所」などは、当時、KORNやスリップノットにはまっていたので「日本でも彼らのような音楽を表現できるバンドがいたのか」と、驚嘆した覚えがあります。
【MUCC(ムック)のPVを観るなら:ムック (MUCC) 「絶望 (Zetsubou)」 – YouTube】
ヘヴィネスやフォークなどのバラードに隠れた良曲たち
初期MUCC(ムック)を構成する楽曲として、「ハードでヘヴィネスな楽曲」と「フォークソングと歌謡曲をオマージュしたバラード曲」が主軸ですが、「ジャズやシャッフル調を効かせたミドルテンポな楽曲」も良いアクセントになっています。
主な楽曲として、「鎮痛剤」や「嘘で歪む心臓」、「1979」が該当するでしょうか?これらの楽曲は、ライブなどでメインになるような曲ではありませんが、アルバムの表現を広げる役割を果たしていると思います。
中期から現在にかけて、ジャンルの幅が広がっていくMUCC(ムック)ですが、その才能を垣間見せてくれる楽曲たちだと思います。
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さいごに
という訳で、NewAlbumタイトルの「1997」は「MUCC(ムック)結成の年」ということで、この表題(タイトル)にちなんで、デビュー当時の作品を中心に、4月2日発売のNewAlbum「1997」の全楽曲を解説しつつ、初期のMUCCの音楽性についてもふれてみました。
結論から申し上げますと「今のMUCC(ムック)が表現する『1997(当時の自分たちの音楽性を総括する作品)』になるのでは」と思います。先行シングルから見ても、洗練された今の表現力を活かすのか?楽しみでもあります(この予想は概ね当たっていたと思います)。
陳腐で面白みもない結論ですが、今作『1997』は、振り返ってみた時に、今後のMUCC(ムック)の方向性を左右しそうな予感がします。過去の作品を再収録してきた歴史もあるMUCC(ムック)です。自身のキャリアを誇りに思っている左証だからこそ過去を振り返り、過去にとらわれずに将来を見据えるスタンスはMUCC(ムック)の本分だと考察しました。
加えて、今回の記事を書くために過去の作品を聴き直すきっかけを与えてくれたMUCC(ムック)にも感謝です。
最後までお読みいただきありがとうございました。それでは次の記事もよろしくお願いします。
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