ナイン・インチ・ネイルズ最新作『TRON: Ares』徹底解説|バンド史と映画音楽への挑戦

ロックバンド

 ナイン・インチ・ネイルズによるディズニー映画『トロン:アレス』のオリジナル・サウンドトラック『TRON: ARES (Original Motion Picture Soundtrack) 』が、2025年9月19日(金)リリースが決定しました。

 『TRON: ARES (Original Motion Picture Soundtrack) 』は、トレント・レズナーとアッティカス・ロスがこれまでに数多くの映画音楽を手掛けてきた中で、初めてナイン・インチ・ネイルズ名義でリリースされるサウンドトラックとなります。

 トレント・レズナーとアッティカス・ロスは、これまでにも『ソーシャル・ネットワーク』や『ソウルフル・ワールド』などの作品でアカデミー賞やグラミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞しています。

 サウンドトラックは、「NINらしいインダストリアルなサウンド、重厚なシンセ、そして心に残る旋律で、映画の世界観を鮮烈に彩る」と評されています。「アナログの魂とデジタルの恐怖が交差し、緊張感と哀愁に満ちた意欲作」とも表現されており、今から発売が楽しみです。

 アッティカス・ロスは、これまでの『トロン』シリーズの音楽と比較して、「音楽が映画でできることをより大胆に追求しています… つまり、やるなら、思い切って挑戦すべきだということです」と述べており、本作の音楽的な挑戦を強調しています。

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やびっちょさん
やびっちょさん

ナイン・インチ・ネイルズ最新作『TRON: Ares』を紹介しながら、バンドの歴史と映画音楽への挑戦について解説していく記事となっているよ。

娘

パパの好きな音楽は、難しくてうるさい音が好きだよね。でも、なんかカッコよさそうな人たちだね。ナイン・インチ・ネイルズってどんな人たちなんだろう?

Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)とは?

 ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)は、トレント・レズナーが1988年にアメリカのオハイオ州クリーブランドで結成したインダストリアル・ロックバンドです。

 2020年には「ロックの殿堂」入りを果たし、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」で第94位に選出されるなど、現代音楽において革新的かつ影響力のあるバンドとして広く認識されています。

やびっちょさん
やびっちょさん

NINの中心的な存在であるトレント・レズナーの動向が、ナイン・インチ・ネイルズの活動を左右すると言っても過言ではないんだ。近年は、音楽活動(特に音楽制作)に対して、モチベーションの低さがアナウンスされていたんだよ。

娘

YouTubeでトレント・レズナーさんを調べたら、「闇の王子」と呼ばれた過去だったり、突然「マッチョ」になっていたり変わり身が凄すぎてびっくりしたよ。

“トレント・レズナーの変わり身が凄すぎるポストがこちら”

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初期の活動と音楽性

 ナイン・インチ・ネイルズは、1989年にシングル「ダウン・イン・イット」でデビューし、同年にアルバム『プリティ・ヘイト・マシーン』をリリースしました。

 1stアルバム『プリティ・ヘイト・マシーン』は、内省的な歌詞と暗く美しいサウンドが特徴で、シンセサイザーを中心としたヘヴィなアレンジが強烈な音の渦を巻き起こしました。

 音楽性としては、「インダストリアル・メタル」、「オルタナティヴ・ロック」「エレクトロニカ」「ハードロック」「アンビエント」など、様々なジャンルを融合させた感情的で攻撃的なサウンドで知られています。

 初期の楽曲は、ノイズやヘヴィメタルの要素を取り入れたインダストリアル・メタルに傾倒していました。

やびっちょさん
やびっちょさん

トレント・レズナーは、「怒りや渇望」「孤独」と言った、詩的表現に加えて、音楽的な表現において音作りの細部にまで強いこだわりを持っていたんだ。それが強迫観念にも近いレベルに達していて「闇の王子」なんて言われる時期もあったんだ。

娘

破壊的なステージングも特徴的で、初期のツアーでは観客を巻き込んだ泥だらけのパフォーマンスが伝説となっているんだね!YouTubeで観てびっくりしたよ。

『ザ・ダウンワード・スパイラル』の成功

  1994年にリリースされたセカンドアルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』はビルボード誌で初登場2位を記録し、バンドの評価を決定づける作品となりました。

 2thアルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』は、グランジ・ロックの次を担う音楽として、当時の若者から支持を集めました。収録曲の「Hurt」は後にジョニー・キャッシュにもカバーされる名曲です。

 これまでにグラミー賞を2度受賞しており、1993年と1996年には「ベスト・メタル・パフォーマー」に選出されています。

やびっちょさん
やびっちょさん

『ザ・ダウンワード・スパイラル』作成時に、チャールズ・マンソンによるシャロン・テイト殺害事件のあった邸宅を買い取ってスタジオに作り替えたのは有名な話しなんだ。EP『BROKEN』の不穏な怒りに加えて、自身を痛めつける自虐的な内省加わったことで作品の表現に対して厚みが加わったんだ。

娘

『ザ・ダウンワード・スパイラル』を聴いたんだけれど、トレント・レズナーさんの苦悩と狂気の裏に潜むポップなメロデイが不気味な感じだったよ。まさにトレントの美学と言えるわね♬

『ザ・フラジャイル』の苦悩

 前作『ザ・ダウンワード・スパイラル』から待たされること5年、『ザ・フラジャイル』(The Fragile)は、アルバムは2枚組のボリュームでした。1999年9月21日にリリースされます。

 本作『ザ・フラジャイル』は、インダストリアル・ミュージックにおいて画期的な作品と見なされており、ナイン・インチ・ネイルズがさらに高いレベルの尊敬と評価を集めるきっかけとなりました。

 トレント・レズナーは、『ザ・フラジャイル』の作成時プレッシャーから何度も挫折しかかったと当時のインタヴューで話されています。製作期間5年、『ザ・フラジャイル』は超難産の上に産み出された「大傑作」と言える作品となっています。

 「ザ・デイ・ザ・ワールド・ウェント・アウェイ」や「ウィアー・イン・ディス・トゥゲザー」といった曲では、無力感に満ちた歌詞が非常に力強い歌声で表現されています。全曲が果てしなく重く、微塵の隙を見せない重厚な完成度を誇っています。

やびっちょさん
やびっちょさん

「スターファッカーズ・インク」の歌詞は、当時の音楽シーンに対する痛烈な批判や、マリリン・マンソンへの批判を含んでいましたが、マリリン・マンソンが同曲のビデオ・クリップに出演したことで和解が表明されたんだ。

娘

パパ!マリリン・マンソンもYouTubeで調べたけれど…私にはムリ。でも、パパが魅かれる気持ちは分かったよ。パパ、もう一人のキーパーソンでもある、アッティカス・ロスについても教えて?

【スターファッカーズ・インクのMVを観るなら:Nine Inch Nails – Starsuckers, Inc.

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アッティカス・ロスとのコラボレーションと映画音楽

 2000年代以降、レズナーはアッティカス・ロスを迎え入れ、彼らのコンビネーションがバンドにとって不可欠な存在となりました。

 アッティカス・ロスは2005年のアルバム『With Teeth』からNINに関わるようになり、ドローンやシンセノイズをフィーチャーした静謐なサウンドへの移行をアカデミックな知識でサポートしました。

 2016年にはアッティカス・ロスが正式メンバーとして加入し、ナイン・インチ・ネイルズはデュオ編成となりました。

 2020年には『ゴースツ I-IV』の続編となる『ゴースツV-VI』を無料でリリースするなど、作品のリリース形態にも新しい試みを取り入れています。

デュオ名義で数々の映画音楽を制作

  レズナーとロスは、ナイン・インチ・ネイルズ名義とは別に、2人のデュオ名義で数々の映画音楽を制作しています。

 デヴィッド・フィンチャー監督作品を多く手掛け、2010年の『ソーシャル・ネットワーク』ではアカデミー賞作曲賞を受賞し、2012年には『ドラゴン・タトゥーの女』でグラミー賞を受賞しました。

 その他の著名な作品には、『ソウルフル・ワールド』、『Mank/マンク』『バードボックス』『ウォッチメン』『mid90s ミッドナインティーズ』『WAVES/ウェイブス』などが挙げられます。

やびっちょさん
やびっちょさん

 レズナーとロスは、映画音楽の制作過程でオーケストラを導入したり、ポップチューンの合間にリリカルなインストチューンを提供したりと、現役ポップスターでもある彼らだからこそ作れたスコアを提供してきたんだ。多様なアプローチで映画音楽を手掛けてきたことが評価につながったと思うよ。

娘

レズナーとロスの仕事の集大成として、ナイン・インチ・ネイルズ名義でリリースされるサウンドトラックとして、作品を発表する流れに繋がるんだね!

新作『TRON: ARES (Original Motion Picture Soundtrack) 』

 ナイン・インチ・ネイルズ名義で初となる映画サウンドトラックが登場。本作は、彼らナインインチネイルズが初めて自身のバンド名でリリースする映画音楽であり、インダストリアルなルーツを映画音楽に融合した意欲作です。

 そこで、新作『TRON: ARES (Original Motion Picture Soundtrack) 』の概要と、映画『TRON』との関連情報をまとめました。

  • 配信・リリース日:2025年9月19日にデジタル、CD、2LPなど各フォーマットで Interscope Records よりリリース予定
  • 収録曲:全24曲(「Init」「Forked Reality」「As Alive as You Need Me to Be」…「Shadow Over Me」)
  • 先行シングル:「As Alive as You Need Me to Be」は2025年7月17日リリース、5年ぶりの正式NIN名義の音源として注目を集めています
  • 音楽的狙い:「アナログの魂」と「デジタルの恐怖」が交差する、緊張感と哀愁を帯びたスコアを意図。オーケストラは一切使用せず、全編エレクトロ・インダストリアルで構成。聴くだけでNINのアルバムのような完成度を実現しています
  • 映画公開日:2025年10月10日、世界同時公開(日本含む)
  • 監督・出演:ヨアヒム・ローニング監督、ジャレッド・レト、グレタ・リー、エヴァン・ピーターズ、ハサン・ミンハジ、ジョディ・ターナー=スミス、アルトゥーロ・カストロ、キャメロン・モナハン、ジリアン・アンダーソンらが出演
  • 制作背景:「Tron」シリーズという文化的遺産に挑むにあたって、バンド名でスコアを制作する決断は異例のものとして注目されました

 サンディエゴ・コミコンで披露された映像に合わせて新サウンドトラックを聴いた一部メディアは、「NINらしさが保たれつつ、映画世界にしっかりと調和するスコア」「Daft Punk以上とも思える仕上がり」と高評価しています。

【Nine Inch Nails – As Alive As You Need Me To Be (Official Lyric Video)を観るなら:Nine Inch Nails – As Alive As You Need Me To Be (Official Lyric Video)

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まとめ:「NIN×TRON」が生み出す、新たな音の世界

 ナイン・インチ・ネイルズは、インダストリアル・ロックの革命児として始まり、それから数十年にわたって音の果てを追求し続けてきました。映画音楽への展開にも成功し、ついにその名義で映画作品を彩るスコアをリリースするに至ります。

 映画『TRON: Ares』の予告編で鳴り響く「As Alive as You Need Me to Be」に宿るのは、NINの魂と未来への挑戦心。このサウンドトラックがどのように世界中のファンと映画を彩るのか、9月19日のリリース、そして10月10日の映画公開が楽しみでなりません。

やびっちょさん
やびっちょさん

何よりも、ナイン・インチ・ネイルズの新作が発売されることを素直に喜びたいと思います。この記事を通して、ナイン・インチ・ネイルズに興味を持たれた方に過去の作品も含めて手に取って聴いてみることをお勧めします。

娘

レコチョクでは、ナイン・インチ・ネイルズの楽曲が1曲からでもダウンロードが可能だよ。気になる楽曲があればチェックしてみてね♬

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やびっちょさん

【名前】やびっちょさん
【経歴】沖縄県で独立型の居宅介護支援事業所を立ち上げて運営しています。
【資格】主任介護支援専門員・社会福祉士・介護福祉士・住環境コーディネーター2級・産業ケアマネ2級・終活カウンセラー2級
【趣味】読書と音楽鑑賞。年間200冊は読みます。歴史小説や思想哲学、自己啓発本をつまみ食いしています。※プロフィール画像は娘(7)作

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