こんにちは、やびっちょです。ブログ記事を読んで下さりありがとうございます。
今回は読んでみたシリーズ「沢村香苗著/老後ひとり難民」を紹介します。
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この本をずばり一言でいうと
この本をずばり一言でいうと・・・
「老後ひとり難民」が直面するトラブルを回避する方法が書かれた本
と言えます。

入院をきっかけに身体が不自由になった。この先も自分一人で生活ができるのだろうか?

配偶者や子どもなど身元保証人がいないと言って入院や施設入居を断られたと聞きましたが本当ですか?
※POINT:「おひとり様」ブームもあり、老後生活を一人で過ごすという方もいらっしゃいます。ですが、加齢や病気をきっかけに体力や気力、理解力が落ちる…なんてことは誰にでも起こり得ます。そんなときにになって「老後ひとり難民」が直面する不安が現実になります。この本を読めば、老後生活の悩みへの対処法について理解が深まることができるかもしれません。
こんな人にこそ読んでほしい
- 老後への生き方に不安を感じるという方
- 周りに「老後ひとり難民」のリスクが高いと感じる人がいる方
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この本を読んでわかること
一人暮らしを営む上での高齢者の直面する課題がわかります。家族のサポートがないとどのような面で生活に支障がでるのか?またその解決への一端がわかります。
本記事で紹介する内容を読めば、これからの老後への生活をどのようにしようかと不安に思う方でも、老後生活への理解が深まります。

なぜなら、実際に私もケアマネージャーとして独居高齢者の支援を経験してきました。実体験の中で感じた課題や反省も含めてお伝えできると思います
著書の概要について
「老後ひとり難民」は、日本の急速な高齢化社会における一人暮らしの高齢者たちが直面する困難や問題を描いたものです。著者は、取材を通じて得た実際のケースをもとに、高齢者の生活の現実を詳しく記述しています。
プロローグで著者は「老後ひとり難民」を定義します。
親族に看取ってもらえないどころか、死後の葬儀さえしてもらえないというケースは、今やまったくめずらしくなくなっています。背景には、結婚しない人、子どもを持たない人、親と同居しない人などが増え、「家族」「親族」のつながりが希薄化するなか、「いざというときに頼れる人がいない」人が増えているという現実があります。
(「沢村香苗著、老後ひとり難民」8~9ページより)
本書では、社会的なサポート体制の不備や、家族との疎遠、人間関係の希薄化といった問題にも焦点を当てています。さらに、こうした問題に対する解決策や、地域社会が果たすべき役割についても論じられています。
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「老後ひとり難民」が直面する3つの課題とは
人生をまっとうする上で「ピンピンコロリ」が理想だと言われます。高齢になっても元気で過ごし、最期には病気や介護なしに急に亡くなるという理想的な老後の生き方を指します。病気や介護なしにという想いは「人に迷惑をかけることなく」という意味が含まれていると思います。
「自分はピンピンコロリで逝きたい、死んだらそのあたりに骨をまいてくれたらいい」と潔さを強調する人もいます。ですが、「ピンピンコロリ」は選ぶことができないのです。まして、医療の発達した今の時代では、そう簡単に死ぬことはできません。
(「沢村香苗著、老後ひとり難民」97ページより)

ピンピンコロリと逝けないとなると、どのようなことが起こるのじゃ?
※POINT:多くの場合、身寄りのない高齢者が自分の状況の危うさに気づくのは、多くの場合は転倒による骨折や病気などで倒れて救急搬送し入院になったときだと言われます。入院費の支払いや入院の準備。長期入院になった場合の自宅の管理など家族がサポートすべき部分が必要になります。
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課題その①:入院~退院にかけて生活課題が浮き彫りになる

「老後ひとり難民」が直面する1つ目の課題が「入院をきっかけに生活に行きづまる」です。入院をきっかけに介護保険を申請して欲しいと言う依頼を病院から受けることがあります。
介護保険を申請したあとに要介護認定が降りると介護サービスが利用できます。その際にケアマネージャーが本人(利用者と言います)の困りごとや希望などを聞きながら退院に向けて利用者と一緒にケアプランを作成します。
ケアマネージャーが支援する上で直面する困難な条件(いわゆる困難事例)のひとつに「身寄りがいない独居高齢者(老後ひとり難民)」の支援があげられます。
介護保険制度の弱点とは
なぜ、「身寄りがいない独居高齢者」が困難事例になるのかポイントをあげると、一番の要因は「家族のサポート不足」があげられます。
本著、「老後ひとり難民」でも、介護保険サービスについて詳しく解説されています。
押さえておきたいのは、介護保険制度スタートの際、理想の老後が「家族に看取られながら自宅で最期を迎える」ことだったという点です。
(「沢村香苗著、老後ひとり難民」45ページより)

「介護保険サービス」を利用すれば、老後の生活は安心だと思う方もいらっしゃると思いますが、介護保険の申請を行うにも市役所の窓口で申請をしなければいけません。入院中の利用者に代わって対応する医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターの職員はボランティアで対応してくれているのが現状です。
※POINT:介護保険制度は家族がいると言う条件が前提として制度設計された
【関連記事】 ケアマネージャーが思う介護をするうえで家族の役割3つ
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課題その②:「保証人」という重大な問題について
「老後ひとり難民」が、直面する課題2つ目のポイントが「身元保証人」の問題です。本書でも触れていますが、「身元保証人」には法的な裏付けや明確な定義はありません。

この前、契約の際に「身元保証人」を求められました。家族の誰かを身元保証人に立ててくださいと言われましたが…
※POINT:身元保証人が必要になる場面について
- 病院への入院時
- 賃貸など不動産で契約をする転居時
- 施設入居時
- 介護保険サービスを始めとした契約時
上記に共通する点として、高齢期のライフステージに変化があった際に「身元保証人」が必要になります。
本著でも、「老後ひとり難民」が身元保証人を必要とする場面を述べています。今まで住み慣れていた居住スペースから移動しなければならない時に「身元保証人」が必要となるようです。
身元保証人がいないと、金銭面での未払いのリスクに直面しますし、入院先では意思疎通ができなくなった場合に治療計画が決められなかったり、死後の手続きができなくなったりします。
身体が不自由になったときに、身の回りの世話や退院時の手続きができないリスクもあります。(「沢村香苗著、老後ひとり難民」85ページより)

実際に、ケアマネージャーとして身寄りがいない利用者を支援しているときに病院からの求めに応じて身元保証人になったこともあります。賃貸の解約でアパートの片付けも一人で対応しました。もちろん、業務の範囲外なので無報酬で対応しなければなりませんでした。
POINT:一番の問題は、老後のさまざまな場面で、寄り添い精神的な支えになってくれる存在がいないことが問題なのです。
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課題その③:「老後ひとり難民」が亡くなった後に起こる問題について
人生の最後でもある「老後ひとり難民」が亡くなった際にどのような問題が起こるのか、本書を参考にしながら、実体験(沖縄県の那覇市をモデルケース)を元にまとめていきます。

あくまで、実体験としてお読みください。ケアマネージャーの業務の範囲を超えた対応でもありますので例外的な事例として参照ください。下記の説明に関しては、実際の自治体の対応に即してください。
過去の事例で対応しましたが、独居高齢者が亡くなるときは「自宅で孤独死」が一番多いケースだと本著でもふれています。
ケアマネージャーと契約していると介護事業所が利用者の生活や健康管理で介入をしていることが多く、介護事業所からの連絡で対応することがほとんどでした。ちなみに利用者との契約は、ご本人がお亡くなりになった時点で契約は解約になります。
※POINT:これ以降は、あくまでボランティアの延長としてお読みください(他のケアマネージャーに同様の対応を求めることはお控えください)。
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老後ひとり難民の利用者が亡くなったあとの流れについて
- 死亡届の提出について
- 遺体の引き取りについて(火葬や埋葬まで)
- 公共料金や賃貸の解約手続き
- 病院や介護利用料などの未払いについて

利用者が亡くなったと報告を受けて訪問すると警察に通報します。ただし、突然死をのぞく、健康状態に不安を感じている利用者に対して、事前に訪問診療に繋いでいるケースが多いですね
訪問診療の先生に繋いでいるケースだと、診療所に連絡を受けて先生に訪問してもらい死亡診断書を書いてもらいます。訪問診療と併せて訪問看護に繋いでいるケースがほとんどなので、訪問看護事業所に連絡を入れて「エンジェルケア(死後のケア)」を依頼します。
※POINT:ここでの注意点は「死亡診断書」も「エンジェルケア」も自己負担であることです。介護保険や医療保険は適用されません(生活保護の方も同様です)。
死亡届の提出について
身寄りのいない独居高齢者が自宅で亡くなった場合、死亡届を提出する義務があるのは、「賃貸の大家さん」になります。不動産に連絡を入れて死亡届の提出を大家さんに依頼します。
過去の事例で大家さんとトラブルになったこともありましたが、その方は生活保護を受給していたため、福祉事務所に相談して「福祉事務所長」名義で提出したこともあります。
遺体の引き取りについて(火葬や埋葬まで)
ご遺体を、そのままにはしておけません。遺体安置所からの留置先、ご自宅で看取られた場合には葬祭場へ移送が必要になります。

遺体の引き取りに関しては、市内にある葬祭業者に依頼しました。通夜や告別式も無く、遺体の引き取りから火葬まで平均15万円程度で対応してくれました。
埋葬の件ですが、利用者のお一人は、生前に市役所に同行して市の集合墓地に申し込みをしました。身元保証人で私(ケアマネージャー)の名義も必要でしたが、3万円程度で契約できました。
※POINT:「海に散骨してくれ」と、遺言された方もいました。散骨に関して調べてみると、那覇市で海上に限られており散骨するところも基本的に決まっているとのこと。利用者本人の想いの場所で散骨をすると法律に触れることもその時に知りました。散骨に関しても、実際には予算も船をチャーターするので30万円ほどかかると言われました(もちろん諦めました)。
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公共料金や賃貸の解約手続きについて
利用者が亡くなられたあと、労力を使う対応が「賃貸住宅の片付けと解約手続き」です。独り暮らしで生活をしていると訪問介護(ヘルパー)の介入があっても荷物が散乱していることが多く片づけに追われます。余談ですが、ゴミ屋敷の片付けは得意です。

正解を言えば、遺品整理に関してはケアマネージャーの業務ではありません。行政(自治体)に丸投げが正解です。ただ、遺品整理をしていると、生前にはわからなかった利用者の姿がわかることもあります。
電気料金も抑えるためにブレーカーを落として作業するので、真夏の作業は地獄です。生活保護受給の方だとワンルームタイプの賃貸アパートなので片づける量も少ないとおもいきやゴミの分別やゴミ出しが苦労しました。これを、家族が対応すると思うと大変な作業になると思います。終活ではありませんが、モノを捨てるタイミングは大切だと思います。
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メルカリ
結論:さいごに
「老後ひとり難民」が直面する3つの課題で記事を書いてきました。直面する課題に対して最適な回答と用意できたとは思えません。
おわりに
「老後ひとり難民」の問題には、シンプルでわかりやすい解決策がありません。また、新たな解決策が提示されるまでには、長い時間がかかりそうです。
(「沢村香苗著、老後ひとり難民」211ページより)
この記事を読んで、少しでも老後の生活の指針になればと思います。
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【関連記事:「老いた親はなぜ部屋を片付けないのか」を読んでわかった高齢者が直面する3つの課題】
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