
人と会話をしていると「言った」、「言わない」というトラブルに巻き込まれたことはありませんか?「あの人と話をしているけど…どうも、かみ合わない」など、コミュニケーションに不全を感じる場面に出会うことも有ると思います。
細谷功さんが書かれた『13歳から鍛える具体と抽象』を読むと、会話のずれや認識のすれ違いなどの原因がわかります。
コミュニケーションにおけるトラブルの元とは、「抽象」化のすれ違いだったり、「具体的」な表現を用いないことが、相手に上手く伝わらない要因だと本書の中で解説されています。
学校の成績だけでは測れない『地頭力』という能力が、昨今のビジネスパーソンには求められるようになりました。AI時代を生き抜くうえでも、『知的想像力』を養う必要が求められています。

『13歳から鍛える具体と抽象』を読むことで”具体”と”抽象”とは何か?が解ります。どうすれば”抽象的思考”を身につくことが出来るようになるのか?を、本記事では細谷功さんが書かれた内容から「具体と抽象」をどうコミュニケーションに活かせば良いのか具体的に解説していく内容となっています。

パパ!『具体と抽象』ってさ、教科書にのっていないし、先生にもならったことないよ。でもね、テストの点じゃなくて、実際に“あたまがよくなる”なら、わたしもおぼえてみたいな!
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『13歳から鍛える具体と抽象』の概要について

細谷功さんの著書『13歳から鍛える具体と抽象』は、思考力を磨くために欠かせない「具体」と「抽象」の概念をわかりやすく解説した一冊です。
本書は中高生を対象としながらも、大人にとっても実用的な内容であり、子どもから社会人まで幅広く役立つ「考える力の教科書」と言えます。
ビジネスの現場では「戦略と戦術」「全体像と部分」「長期と短期」といった二項対立の中で意思決定を迫られます。その根本にあるのが「具体」と「抽象」を往復する力です。

たとえば、目の前の数字(具体)だけを追えば場当たり的になり、抽象的な理念や戦略ばかり語れば机上の空論に陥ってしまうんだ。両者をバランスよく行き来することで、現場に根ざしながら未来を描く思考が可能になるんだよ。本書はその「思考の筋力」を鍛える方法をわかりやすい例で解説されているんだよ。

パパ、りんごは“具体”でしょ? それをまとめると“くだもの”っていう“抽象”になるんだよね。でね、 “くだもの”をもっと広げたら“食べもの”になるの。こうやって小さいことと大きいまとめを行ったり来たりすると、ほんとの意味が見えてくるってことだよね!
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具体と抽象とは?

私たちは、目に見える出来事をとらえて世界を認識しています。主に「五感」と言われる感覚、”見る”や”聞く”または”ふれる”などの体感から情報を得ることが出来ます。
動物にも五感は備わっています。犬の聴覚や嗅覚は人間よりも優れており、部分的には人間よりも優れている動物はたくさんいます。
人間には動物には見えないものを見る力を備えています。「お金」という巨万の数字を動かすことで「資本主義社会」という繁栄を得てきました。私達の身近なところで言えば「SNS」を通して、直接会ったこともない人とコミュニケーションやテキストを交換することも出来るようになりました。
私たち人間は「目に見えるもの」と「目に見えないもの」の間で生活を送っています。動物には見えないものを見る力のことを「知的能力」と言います。「具体と抽象」という表現も以下の様にとらえることができます。
- 具体:目に見えるもの、体験できること、はっきりした出来事や事例。 例:りんご、教室、100点をとった。
- 抽象:たくさんの具体から共通点をまとめて言い表した広い考え方や概念。
例:くだもの、学校、成績。

つまり、「具体」は”例えそのもの”に対して、「抽象」は”まとめた考えかた”ということが言えるんだ。

ねえねえ、 “具体”って言葉をいっぱいならべてさ、共通してるところに名前つけると“抽象”になるんだって!なんかゲームみたいでおもしろいね!
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具体と抽象を「2階建て」で考える。
「具体」と「抽象」を構造的に考えると以下のように考えることができます。

一番下にあたる(〇)の部分が「具体(1階)〇」になります。「みかん・りんご・バナナ・ぶどう・いちご」と言った言葉が並ぶイメージです。
(〇)をまとめた言葉が「抽象(2階)(△)」になります。(△)には「くだもの」が入ります。
「くだもの」以外にも、その他の抽象的概念「やさい」や「肉・魚」が加わることで、さらに「上の抽象(3階)(△)」「食べもの」という上位概念がうまれます。

パパ知ってる?細谷さんの本ではね、 “具体”は建物の1階で、 “抽象”は2階なんだって! でね、抽象をもっと広げると、すっごく高いピラミッドみたいになるんだよ!

いいかい?抽象的な考えを広げていくとね、ピラミッドみたいに高いところから物ごとを見られるんだ。上から見ると全体がよくわかるだろ?そういう力を“知的能力”っていうんだよ。これがあると、勉強だけじゃなくて遊びや毎日のことにも役立つんだ。たとえばゲームのルールをすぐに理解したり、お友だちとけんかしたときにどうしたらいいか考えるのにも使えるんだよ
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コミュニケーションを「具体と抽象」で考える
「具体と抽象」が私たちのコミュニケーションに貢献してることが理解できたかと思います。頭の中でピラミッドのように「高層建築」のようなイメージで話しているつもりでも、相手が「1階」だけで話していたのでは会話も成り立ちません。
SNSやネットなどの会話などで、相手が意図したとおりに解釈をしてくれないことでトラブルになった経験がある人もいると思います。
細谷功さんの著書『13歳から鍛える具体と抽象』では、コミュニケーションをする目的を以下のように定義しています。
みなさんが、誰かに何かを伝えるときのことを考えてみてください。コミュニケーションをする目的は、相手に何かを伝えて、何かのアクションにつなげてもらうことだと思います(「何もしなくてよい」というのも「アクションの一種」とします)。
引用:細谷功著『13歳から鍛える具体と抽象』143ページ

いいかな。“具体”っていうのはね、目で見たり耳で聞いたり、においをかいだり、手でさわったり、そういう五感でちゃんと感じられることなんだ。たとえば、おしゃべりするときに口から出す言葉は耳で聞けるし、ノートに書いた文字は目で見えるでしょ? そういうふうに伝わる言葉のことを“具体”っていうんだよ

へぇ〜!じゃあ、 “おいしいアイス”を買って!って言うのも“具体”になるの?
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具体と抽象の意味(コミュニケーション編)
コミュニケーションでは、具体は相手に伝わりやすく、抽象は幅広く伝えられます。状況に応じて使い分けることが大切です。
「具体」を例えに、その場でイメージしやすい、はっきりした言葉や事例や聞いた相手が「すぐに思い浮かべられる」情報を挙げてみます。
- 明日の10時に駅前のカフェで会おう
- 赤いシャツを着ている人
- 国語のテストで85点を取った

ちゃんと具体的に言ったら、相手にわかってもらえて、まちがえたりしにくいんだね!そしたらケンカも減るかもね!
「抽象」を例えに、今度は多くの具体をまとめた広い意味の言葉や表現、聞いた相手によってイメージが変わりやすい情報を挙げてみます。
- また今度会おう
- 派手な服を着ている人
- テストでまあまあ良かった

“抽象”ってね、いろんな考え方ができるから自由なんだけど、人によって受け取り方がちがっちゃうこともあるんだよ。
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まとめ:コミュニケーションにおける「具体」と「抽象」

細谷功さんの著書『13歳から鍛える具体と抽象』をテキストに、コミュニケーションにおける「具体」と「抽象」について解説してきました。
ビジネスにおいて成果を出すためには、「具体」と「抽象」をうまく使い分けることが欠かせません。
※POINT:ビジネスパーソンにおける「具体」と「抽象」
具体とは、日時・数字・場所・行動など、誰が聞いても同じイメージができる表現です。たとえば「来週月曜の10時にA社を訪問する」という言葉は、誤解が少なく行動に直結します。具体は相手に明確な指示を伝えたり、進捗を確認したりする場面で強力なツールになります。
抽象は多くの具体をまとめ、方向性やビジョンを示す表現です。「顧客との関係を強化する」「売上を伸ばす」といった言葉は、人によってイメージが違う場合もありますが、全体の方向を共有する際には欠かせません。抽象は柔軟性が高く、状況に応じてさまざまな解釈が可能であるため、組織全体をまとめる力を持っています。
重要なのは、抽象で方向性を示し、具体で行動を決めるというバランスです。たとえば上司が「来月は売上を伸ばそう(抽象)」と伝え、部下が「では週に10件新規訪問します(具体)」と返すことで、戦略と実務がスムーズにつながります。
つまり、「具体」は現場を動かし、「抽象」は組織を導く羅針盤です。ビジネスパーソンに求められるのは、この両者を自在に行き来し、適切に使い分ける力が必要です。

『13歳から鍛える具体と抽象』は仕事でもプライベートでも活用できる内容となっています。「13歳から…」と書かれていますが、入門編として大人でも学びのある一冊です。気になった方は、ぜひ本書を手に取って読んでみることをお勧めします。

「『13歳から鍛える具体と抽象』ってね、hontoの電子書籍ストアで買えるんだって!EPUBっていうかたちで読めて、スマホでもパソコンでもタブレットでも見られるんだよ。わたしも読んでみたいな〜!
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