ケアマネージャーとして働くうえで、「もっと、自分の頑張りが評価されないだろうか?」と悩んだことはありませんか?
今回は、そんな方に向けて「成果主義をケアマネージャーとしての働きかたに取り入れてみた」をテーマに記事を書いてみました
この記事を読んでわかること
- 成果主義とはなにか?が理解できます
- 成果主義へのメリット・デメリットがわかります
- 成果主義を取り入れた、その効果についてもわかります
本記事で紹介する内容を読めば、ケアマネージャーとして働くうえで、成果主義について理解が深まります。

紹介が遅れました!やびっちょです。居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが働く事務所)を経営しながら管理者として職員を評価する立場でもあります。そんな実体験を元に記事を書いていきたいと思います。
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はじめに~成果主義を導入するに至ったわけ~
弊社では、「ハイブリッドワーク制」を取り入れています。「ハイブリッドワーク」とは、事務所勤務と在宅ワークを組み合わせた働き方のことです。
従来のフルタイムの事務所勤務に比べて、ハイブリッドワークは職員に柔軟性を提供し、仕事と私生活のバランスを取りやすくすることができます。 この働き方は、ICT機器を活用することで可能となり、特にコロナ禍以降のパンデミックの影響で多くの企業が採用するようになりました。ハイブリッドワークにはいくつかの利点があります。
一方で、ハイブリッドワークには課題も存在します。コミュニケーションの難しさが挙げられます。在宅ワークで働く従業員同士のコミュニケーションがうまくいかない場合、誤解や情報の共有不足することで、職員が孤独感を感じてしまうことがあります。
そのうえで、もう一つの課題が、「職員をどう評価するのか」という、人事考課の問題になります。ハイブリットワークで職員間とのコミュニケーションが不足してくると、職員の業務の進捗状況が把握しずらいなどの状況が生まれました。

職員のモチベーションアップを図る上では、目に見える頑張りを評価する「成果主義」を取り入れる必要性もありました
※POINT:ハイブリットワークを取り入れたことで職員の業務に対する進捗状況を把握することが難しくなった。そこで、目に見える成果「担当件数」を評価するという「成果主義」を取り入れることになった。
【関連記事:ハイブリッドワークを実施してわかったメリット・デメリット3つのポイント】
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成果主義とはなにか?
一般的に、成果主義(せいかしゅぎ)とは、「組織や企業が職員の評価や報酬を、その業績や成果に基づいて行う考え方や制度」を指します。
具体的かつ測定可能な目標を設定することで、働く職員が何を達成すべきかを明確にします。これにより、自主的な働き方が促進され、評価基準も一貫性を持つことができます。

弊社ではケアマネージャーとして働くうえで、利用者の「担当件数」が実績にあたります。一方で、「事例検討会や研修への参加」が貢献度にあたります。
一方で、成果主義と勘違いされやすい評価基準に「能力主義」が挙げられます。両者は異なる概念ですが、成果と能力が密接に関連しているため、しばしば混同されることがあります。
能力主義は、従業員の持つスキルや能力に基づいて評価や報酬を決定する方法です。このアプローチでは、個々の才能や専門知識が重視されます。

弊社では、能力主義への取り組みとして「主任介護支援専門員」などの資格をもっていると「資格手当」がアップするなど「能力主義」も評価に取り入れています
能力主義のメリットは、職員の成長やキャリアアップに焦点を当てることで、長期的な組織の発展をささえる土台になることです。また、スキルの向上を奨励するため、職員の自己啓発や学習意欲が高まります。
※POINT:成果主義と能力主義はそれぞれ異なる評価アプローチを持ちます。成果主義は具体的な業績や目標達成に基づき、能力主義は従業員のスキルや能力に基づきます。両者にはそれぞれの利点と課題があり、これらを組み合わせて活用することで、より効果的な評価制度を実現していると言えます。
具体的に、下記では「成果主義」を導入したことによる、メリット・デメリットを見ていきますね。
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メリットその①:モチベーションの向上
成果主義は働く職員にとって明確な目標を提供し、その達成に向けて努力する動機付け(モチベーションアップ)となります。

弊社では、労働条件で、「30件以上から35件を担当してもらいます」と提示していますが、一定以上の件数を持つと手当が支給される仕組みになっています
具体的な「評価(インセンティブ)」を提示する事で、働くうえでの目標設定と動機付けを行っています。(※下記:POINTを参照)
メリットその②:公平な評価ができるようになった
業績や成果に基づく評価は、「担当件数」という客観的な数字で個々の努力や貢献が公正に評価されるため、働く職員間の不満や不公平感を軽減します。
一方で…

あの人は、件数ばかりに目がくらんで新規依頼ばかり受けている。利用者や家族へのフォローアップが出来ていない
など、職員からの不満もあがってくる場合もあります。
コミュニケーションツール(メールやline)などでは表に出てこない、不満や意見は対面でのミーティングなどで定期的にフォローする必要もあります。
メリットその③:生産性が向上する
成果主義により、目標を明確化しました。そのことで、職員は自らの業績を上げるために努力し、その結果が自身の報酬として還ってくることで努力に対する動機づけ(モチベーションアップ)に繋がりました。そのことで「積極的に依頼を受けていく」という流れがうまれ、組織全体の生産性が向上したと思います。

特に、ハイブリットワークのところでもふれました「ICT機器を活用」することで業務の効率化と業績アップに繋げられたと思います。
【関連記事:ケアマネージャーが業務を効率化するための5つの戦略】
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※POINT:弊社では、担当件数33件以上の担当件数を持つと、1件あたり¥3000円が加算される「評価(インセンティブ)手当」という、仕組みを取っています。加算された手当は夏季と冬季賞与時に支給される流れになります。
毎月、35件の担当件数を6カ月維持できれば…
「評価(インセンティブ)手当:①」(¥3.000)×「該当件数:②」(3件)×「期間:③」(6カ月)=「手当額:④」になります。
例)①:3.000 × ②:3 × ③:6 = ④:54.000円
④:が基本賞与額に加算されて支給される仕組みになっています。
一方で、「成果主義」を導入したデメリットも見ていきます。
デメリットその①:過度な競争
成果主義は職員個々の成果に重きを置くため、過度な競争や対立が生じることがあります。これにより、チームワークや協力体制が損なわれる可能性があります。
具体的に言うと、「新規依頼に対して、受けいれる職員に偏りがでる」や「困難事例と思われる依頼については効率が悪いと依頼を避ける」などの傾向が生じてしまいます。一部の職員からすると「不公平感を感じる」という温床になりかねません。
デメリットその②:短期的な視点
業績や成果が評価の基準となると、職員は短期的な利益や結果を追求しがちです。これにより、長期的な視野や持続可能な成長が阻害されることがあります。
具体的に言うと、件数を持つことばかりに集中して「書類作成をおざなりにする」、「担当利用者や家族のフォローアップやサービス調整を後回しにする」などが考えられます。

実際には、上記のような課題は弊社では起こっていません。「記録を作成する」という意識を持つために、定期的に「事業所内監査」として、担当利用者のファイルをチェックしています。
デメリットその③:ストレスの増加
成果主義を実施することで、「もっと件数をもたなければ」、「今月は利用者の契約が終了して件数が下がった」など、プレッシャーやストレスを伴うことが多く、職員の健康やウェルビーイングに悪影響を及ぼすことがあります。

新規依頼を職員に任せる場合には、業務の負担にならないか?など進捗状況も必ず確認するように気を付けています。
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成果主義を実施してわかったこと
ここまで、記事をお読みいただきありがとうございました。弊社では、成果主義の一環として「評価(インセンティブ)手当」を実際に導入してみました。また、能力主義の一環としては「資格取得に対するインセンティブな評価」を実施しています。
ちなみに、キャリアアップにつながる「主任介護支援専門員」や「介護支援専門員」更新などの法定内研修にかかる費用は全額法人で負担しています。
現状としては、「ハイブリッドワーク」と「成果主義」を両輪に、職員の働きかたに対しては「満足」と聞き取りにて評価しています。
今後、経営的な面からも実証に対しての裏付けが出来ればと思っています。
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