ケアマネージャーがICT機器を使ってみた

ケアマネジャー
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 こんにちは!やびっちょです。今回はケアマネジャーの業務とICT化について、自身の体験を元に話していきたいと思います。実際に弊社でICT機器の導入にあたって、どのような取り組みを行ったのか?又、導入によるメリット、デメリット等をお話しできればと思います。

やびっちょさん
やびっちょさん

 自己紹介が遅れました。独立型の居宅介護支援事業所を運営しています。2020年4月に法人を設立し7月に事業所を立ちあげました。現在、私を含め職員5名で勤務をしています。当事業所では立ち上げ当初からICT機器導入に取り組みました。

 起業立ち上げ当時、世間はコロナ直前で「ICT」という言葉はおろか、「在宅ワーク」という言葉さえ、世間一般では話題にならなかった時期に導入に踏み切りました。

この記事はどんな人に読んで欲しいか

上記の点を中心にお話ししていければと思います。ちなみに、当事業所は沖縄県で運営をしており、介護業界における地域の雰囲気としてはICTに対しては保守的だと感じます。いまだに(令和6年時点)ガラケー携帯でお仕事をしているケアマネさんもいて「連絡のツールとしてlineが使えずに個人のスマートフォンで職員間のコミュニケーションツールに使っている」と、管理者を中心とした交流会で聞いた話です。

私のICT基礎知識として

 そもそも「ICTってナニ?」って話にもなりますが、ケアマネ業務で思いつくところですと、連絡調整に必須である「iPhoneやandroid」などの携帯電話を中心にlineアプリやメールなどの連絡用手段のツールの活用が挙げられると思います。又、書類などの紙ベースで管理するのではなく「PDF」等の電子ファイルで管理するイメージでしょうか?

やびっちょさん
やびっちょさん

アナログ人間な私です。前の職場では、「PDFってナニ?食えるの?」程度のICT機器への知識しかなく(今もさほどありませんが)、パソコンからメールを送信するという経験もほとんど経験がありませんでした。

  そんな私が、独立し事業所を立ち上げるうえでICT機器とケアマネ業務は相性が良いと確信していました(コロナ禍の中で立証されたと思っています)。ICT機器に興味はあるが実際に導入した際のイメージがつかない状況から事業所立ち上げ、導入が始まりました。

 尚、言い訳ではありませんが、今でもITへの知識も乏しく実体験での知識しか無い状態で記事を書いています。下記に出てきます、ICT機器の詳しい説明は専門方が書かれた記事を参照して頂けると助かります(あくまで体験記としてお読みください)

ICT機器

実際にICT機器を導入してみた

 事業所を立ち上げるにあたって基本的なツールであるパソコンに関してはデスクトップパソコンを導入しましたがすぐに失敗したと感じました。以前の職場のイメージが拭えず「ケアマネは事務所に出勤してパソコン入力をしている」と言う認識から、デスクトップパソコンの導入でした。

すぐに、持ち運びが可能で在宅ワークでも使用できる「ノート型パソコン」に切り替えました(事務所ではデスクトップパソコン、在宅ワークや外ではノート型パソコンと併用しています)。ポケットWi-Fiもレンタルで導入しました。レンタル料金は月額で見ても割安なのでお得です。

 施設ケアマネと居宅のケアマネをしていた頃は「ほのぼの」介護ソフトを使用していましたが、事業所の立ち上げに際して「カイポケ」と契約を結びました。

やびっちょさん
やびっちょさん

在宅ワークをするうえでも、介護ソフト「カイポケ」との相性は良いと思います。ネット環境があればどこからでもアクセスが可能であること。必要な書類がPDF化できることが大いに役立っています。

 又、プリントアウトやFAX、コピーに必要な複合機ですが、立ち上げ時にはリース物件で導入しました。書類の印刷にFAX、PDF化へのスキャン機能等、ハイスペックで重宝していましたが、e-FAX(書類をPDF化しメールでFAX出来る機能)とスキャナーを購入すれば、プリンターは家電量販店で購入した方が割安だと反省しました(リース物件終了と同時に複合機は返却予定です)。FAXで受け取る書類に関してはPDF化しデータで管理しています。

 ICT機器の心臓部でもあるサーバー設置に関してセキュリティ対策と併せて予算を掛けました。職員が各ノート型パソコンから共有ファイルで情報を取り出せるように環境を作ることで、自宅に居ながらFAXや利用者ファイル、カイポケからのダウンロードしたデータが見られる事は大きなアドバンテージだと思います。

ICT機器を導入することでどんなメリットやデメリットがあるの?

 メリットとしては「FAXを確認する為に休日に職場へ出勤する」「事業所から提供票を急ぎFAXで送って欲しいと言われたので早朝に事務所に出社する」と言うような状況から解放されたことです。ノート型パソコンからPDFファイルで閲覧が可能であること。e-FAXの活用でノート型パソコンからFAXが送れるなど、移動のストレスと時間のロス両方が解決できることだと思います。

やびっちょさん
やびっちょさん

e-FAXに関しては在宅ワークをするうえで欠かせないアイテムです。業務の効率化に貢献してもらています。

 又、PDFで管理することで、様々な書類をファイリングする事からも解放されたことは大きな改善点です。元々、手先にしびれがあり、ファイリングの度に指先に走る疼痛と戦っていましたが、ファイリングから解放されたと同時にしびれも軽減されました(しびれの原因はストレスだと言われました)。

 職員間のコミュニケーションに関しては、セキュリティ対策も兼ねて「lineワークス」をインストールし連絡ツールに使用しています。スケジュール管理、情報の共有に重宝しています。又、年休などの申請に関しても掲示板機能を使用する事で年休取得に対する容易さを実現しています。

 デメリットとしては「職員全員がICT機器を使いこなせるわけではない」と言うことでしょうか。中にはICT機器に対してアレルギー反応を示す職員もいます。そのような職員には無理をしてICT機器を使いこなすのではなくメリットを伝えることで根気強く考え方が変わる様に指導しています。又、新しいICT機器を導入すると機器やアプリを使いこなすまでのストレスも感じました。まず、私が使い慣れてから職員に広める様に対応しています。

導入したことによる反省点や失敗談について

 以上、ICT機器を導入してみた体験記事を書いてきました。最後に反省点や失敗談を挙げるなら「人は新しいことや環境の変化にワクワクやドキドキよりも精神的な負担を感じる人のほうが多い」と言うことを理解していなかったことでしょう。過去に電子署名のシステムも導入しましたが、誰も一度も使わずに次年度の更新時期であっけなく解約。年間契約でしかも高額にも関わらず契約してしまったことは大きい失敗でした。

又、書類を紙ベースで印刷し、FAXを確認し、報告書や書類をファイリングして、FAXして、郵送で送って…という、今までのやり方を頑なに変えない職員もいます。当初は強引に「電子化は業務の効率化だ!」と言って、周りの職員に対して指導していました。ですが、近ごろでは、「それはそれで良し」としています。

やびっちょさん
やびっちょさん

職員それぞれが能力に併せて、自分が活用できる範囲で職場の環境をつかって、業務の効率化が図れればよいと思っています。

さいごに

  最近の私は、事務所にいるよりも自宅で仕事をしている方が仕事がはかどります。朝は在宅ワークから始め午前中の訪問先へ。お昼前後に事務所に顔を出し職員とのコミュニケーション。午後の訪問後は在宅ワークに切り替えて仕事をしています。今のところ、職員からのクレームも特にありません。

以上、「居宅介護支援事業所にICT機器を導入してみた」で記事を書いてみました。失敗談も含めて参考になれば幸いです。

やびっちょさん

【名前】やびっちょさん
【経歴】独立型の居宅介護支援事業所を立ち上げ代表として運営しています。
【資格】主任介護支援専門員・社会福祉士・介護福祉士・住環境コーディネーター2級・産業ケアマネ2級・終活カウンセラー2級
【趣味】読書と音楽鑑賞。年間200冊は読みます。歴史小説や思想哲学、自己啓発本をつまみ食いしています。
※プロフィール画像は娘(6)作

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