坂口恭平著、道草晴子漫画/生きのびるための事務を読んで実践してみた

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※画像は「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務」より引用

 こんにちは、やびっちょです。今回は「坂口恭平著、道草晴子漫画/生きのびるための事務」を紹介します。読書ブログを読んで下さりありがとうございます。今回は、本の感想と併せて分の「事務」を実践しました。その実体験も踏まえた感想ブログとなっています。

この本をずばり一言でいうと

この本はずばり「自分の夢や希望を現実にするための方法論だと言えます。

 若い頃の私もそうでした、未来の話のことや将来の夢や希望のことを考えると、こんな風に思ったりしますよね。

「興味はあるけれど、自分にはムリ」

「自分には能力もお金も自信もない」

やびっちょさん
やびっちょさん

この本は、読むだけで解った気になり満足するような自己啓発本ではありません。ましては、主人公の成功物語に感動するお涙頂戴のお話しでもありません。「知識や経験も、なにも持たない自分でも、夢を現実にするにはどうすれば良いか?」という悩みへの対処法について、考えることができる一冊です。

こんな人にこそ読んでほしい

  • 悩みや不安ばかりで何をして良いかわからない
  • もっと稼がなきゃ、働かなきゃと思うと憂鬱(ゆううつ)になる
  • 漠然(ばくぜん)とした目標だけで行動のしかたがわからない

この本を読んでわかること

  • 書くことで思考を整理し、不安や悩みと向き合うことができます
  • 目標にむかって必要な金額がいくらなのかがわかります
  • 実際になにをすれば良いか行動計画がたてられます
「未来の夢」ではなく「未来の現実」を決める – 1

あらすじ

 この本は、主人公(著書)恭平の実体験を元に書かれています。大学四年生の主人公は卒業を間近にひかえ、将来の進路に迷っているところからストーリーは始まります。「肌に合わない!」と、就職活動をしていない恭平は言います。

誰かの命令を聞いて、やりたくないことまでして、その対価をもらうのだが、どれだけ頑張ってもやった分だけの対価がもらえるわけでもなく、昇給が頻繁にあるわけでもない。」

「それが僕の中での会社に就職して働くというものでした。」

「これでは退屈すぎると僕は感じていました。」

「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(007ページ)」より引用

 やりたいことはあるけれど、頭の中ではイメージはあります。ただ、ただ具体的に形にすれば良いのか?どう行動すれば良いのか解らずに恭平はモヤモヤしていました。

 働くことに意味を見出せず、しかし就職以外に選択肢がないと思い、絶望していた恭平の元へ、ある日、彼「ジム」はやってきました。

「イメージできることは全て現実になるんだよ。ただ。誰もやっていないだけ」

「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(010ページ)」より引用

と、ジムは言います。そのために必要なことは「事務」だと言います。

≪事務≫とは、抽象的なイメージを数字や文字に置き換えて、≪具体的な値や計画≫として見える形にする技術です。」

「その≪具体的さ≫というものには命が宿るんですよね。」

≪事務≫も人間も、植物と同じように成長するんです。」

「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(077ページ)」より引用

と、ジムは説明します。

 本著、「生きのびるための事務」の中で話す「事務」とは「日常を整理し、困難に対処するための手法」といいます。具体的には以下の内容になります。

1:書く事務: 悩みや不安を紙に書き出すことで思考を整理し具体的化します。具体的な数値や文字にすることで、実際に向き合うことができます。

2:お金の事務: 収入と支出を記録し、経済的な不安を減らしていく方法を提案しています。大切なことは「お金のために働いてはいけない(ジムは労働といいます)。夢や目標の時間を確保すること(ジムは仕事といいます)に集中すること」

3:スケジュールの事務: やるべきことをリスト化し、行動計画を立てることで現実の課題と未来への不安を軽減します。

 ジムと共に始まった生きのびるための事務。恭平は事務を実践することで自身の成長と結果を生み出していくのですが、あとは読んでのお楽しみに。

著者の紹介

 著書の坂口恭平さんは、作家としては小説や写真集、画集や音楽集に料理書など多数な著書があります。又、画家や音楽家、建築家など多彩な活動を行うマルチタレントです。著書でも「未来の現実」は「好きなことだけ」で決めると話している通りのご活躍だと言えます。

やびっちょさん
やびっちょさん

自ら、「躁うつ病」であることを公言しており、2012年からは「いのっちの電話(死にたい人であれば誰でもかけることのできる電話サービス)」を自身の携帯電話で続けられています。

読書後の感想として

 実は、「生きのびるための事務」を取り上げようと思った一番の原因が、私も同じように「事務を実践している」からです。はじめは、国家資格に合格するために「事務」をはじめたことがきっかけでした。まさしく「未来の夢」を「未来の現実」に変えた瞬間です。

やびっちょさんの「生きのびるための事務」

 当時、無資格で介護業界に飛び込んだ私は特別養護老人ホームで働いていました。いわゆる「臨時職員」待遇で、早番から日勤。純夜勤で深夜0時までの勤務、深夜帯から翌朝までの深夜勤務をローテーションで働いても手取り、12万ほどしか収入がありませんでした。

「時間給で計算される小の月。2月の給与は深夜勤務を含むローテーションをしても、手取りで10万円もありませんでした」

※今から20年以上前の話で、現在は処遇改善されており、給与も大幅に上がっていると聞いています。

 その職場では、正職員になる条件として国家資格である「介護福祉士」の取得が評価基準と噂されていました。ですが、正職員の先輩はほとんどが「介護福祉士」を取得していませんでした。

 いわゆる「上層部に媚を売るお気に入りの職員」や「身内に近い職員」が正社員に登用される環境でしたが、職場関係の仲が良く仕事に対してやりがいを感じていた私はやる気に燃えていました(今で言う「やりがい搾取」ですね)。

資格は身を助ける

 国家資格の「介護福祉士」を受験できる三年目を迎えるにあたって、一年後の結果発表の日程に合格している自分をイメージして「介護福祉士を取得して自分はどうなりたいか?」という目標と目的をノートに書き始めることから始めました。

 国家資格を一発で合格するには、どのように行動するべきか?を、さかのぼって「9か月後には?」から「6か月後」、「3か月後」と、逆算的に1か月後のスケジュール、一週間後、一日(毎日)のスケジュールと抽象的だったイメージが毎日の日課(今日、具体的に何をすれば良いか?)をノートに言葉として言語化(具現化)してく過程が楽しかったです。

「労働」と「仕事」を見極める

 スケジュールを達成するために、必要な労働(日々のお仕事)と収入、出費を最小限に抑えて、勉強(仕事)に集中する時間を確保する計画を立てました。

 見事、「介護福祉士」の資格にその年の最高得点で合格。また、介護福祉士を取得する前の段階として計画していた、民間資格として「住環境コーディネーター2級」も合格しました。

 その後もキャリアを重ねながら「介護支援専門員(ケアマネージャー)」の資格も一発で合格。 福祉系の国家資格として「社会福祉士」まで同じ「事務」の要領で一発で資格を取得することができました。

やびっちょさん
やびっちょさん

 次のステップが「自分で事業を立ち上げて独立する」という目標に取り組んだのが5年前になります。現在も軌道修正しながら「夢を現実にする」途中です。

結論:すべてに共通することは「生きのびるための事務」を実践し続けたから。

さいごに

 著者の坂口恭平氏とは年齢も近く、私も20代の頃に「躁うつ病」の診断を受けて精神科に入院し重度のうつ病として三年近く療養していたことから、著者に勝手に親近感を覚えています。

 どん底から、生きのびるための手段として、片っ端から本を読み自分の頭でのモノを考えた結論「自分の夢や希望を文字(言語化)にすること。」「抽象的なイメージを目標(具現化)にする」ことに行きつき、自分の行動指針にしてきました。

 もうひとつ(ふたつ)だけ付け加えるなら「素直になる」ことも成長する上での前提条件だと言えます。「どうせ」とか「でも」など「言い訳という否定」から入る人に成功は難しいと思います。もうひとつが「とりあえず行動すること」です。

 今の世の中は、恵まれているくらいに情報にあふれています。だからこそ、「生きのびるための事務」のような有益な情報にふれて「素直に実践し行動する。」

 たったこれだけで明日からのあなたは、10年後の「未来の夢」ではなく「未来の現実」を手に入れていると思います。情報を読んで満足するだけの自分から変わるのは今です。

 最後まで読んでくれてありがとうございました。また、よろしくお願いします。

やびっちょさん

【名前】やびっちょさん
【経歴】独立型の居宅介護支援事業所を立ち上げ代表として運営しています。
【資格】主任介護支援専門員・社会福祉士・介護福祉士・住環境コーディネーター2級・産業ケアマネ2級・終活カウンセラー2級
【趣味】読書と音楽鑑賞。年間200冊は読みます。歴史小説や思想哲学、自己啓発本をつまみ食いしています。
※プロフィール画像は娘(6)作

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