
突然ですが皆さんは、「自分の夢をかなえる魔法のような方法はないかしら?」と、思ったことはありませんか?もし、あなたの読書を習慣にしているなら、世に出るさまざまな書籍を読んでは、そこに書かれている内容を実践してきた過去があるかと思います。
坂口恭平さん著・道草晴子さん漫画の『生きのびるための事務』は、事務作業を単なる雑務ではなく「生きる力」として捉え直す一冊です。これまで事務に苦手意識があった私も、本書をきっかけに日々の小さな「事務」を見直してみました。メモを取る、予定を整える、気持ちを記録する――その積み重ねが心を軽くし、生きやすさへとつながっていく。本記事では、実際に本書を実践して得た気づきと変化をお伝えします。また、この本は「自己啓発」といった敷居が高い要素は一切なく、ひたすら「事務」を実践することだけを求められます。「自己啓発」ではなく事務を哲学レベルまで押し上げる内容となっています。
坂口恭平さんの本は以前から書店で並べられていて「いつか読みたいな~」と、思いながらも「読んでみたい!」という想いと「これを読まなきゃ」と言うタイミングが合わず、今までご縁がありませんでした。
現在、10万冊を超えるベストセラー(2025年3月時点)でもある「坂口恭平著、道草晴子漫画/生きのびるための事務」を紹介しながら、本の感想と併せて自分の「事務」を実践しました。その実体験も踏まえた感想ブログとなっています。
《PR:アフィリエイト広告を利用しています》
『生きのびるための事務』とは?ずばり一言でいうと
結論からいうと、この本はずばり、「自分の夢や希望を現実にするための方法論」だと言えます。日々の現実の中で、将来の夢や目標のことを考えるとこんな風に思ったりしますよね。「興味はあるけれど、自分にはムリ」や「自分には能力もお金も自信もない」と、ついつい後ろ向きになってしまうこともあると思います。
結局、何をして良いのかわからず周りに流されていたと、感じるかたも多いと思います。私も20代は不安と自身のなさから周りに流されていました。ですが「自分には目標やりたいことがある」と言う、気持ちが捨てきれず悶々とした日々を送っていました。そんな20代の頃にこの本に出会いたかったです。

この本は、読むだけで解った気になり満足するような自己啓発本ではありません。ましては、主人公の成功物語に感動するお涙頂戴のお話しでもありません。「知識や経験も、なにも持たない自分でも、夢を現実にするにはどうすれば良いか?」という悩みへの対処法について、考えることができる一冊です。
《PR:Amazonアフィリエイト広告を利用しています》
こんな人にこそ読んでほしい
- 悩みや不安ばかりで何をして良いかわからない
- もっと稼がなきゃ、働かなきゃと思うと憂鬱(ゆううつ)になる
- 漠然(ばくぜん)とした目標だけで行動のしかたがわからない
この本の特徴として、全編が漫画形式で描かれているため、イラストと一緒に内容が頭にはいるので自然に本の世界観に入っていけると思います。「文字ばかりで本を読むのはちょっと・・・」と、抵抗を感じるかたにもおすすめな一冊になっています。また、文体もやわらかく読みやすく内容も構成されているので物語に入り込みやすいと思います。
この本を読んでわかること
- 書くことで思考を整理し、不安や悩みと向き合うことができます
- 目標にむかって必要な金額がいくらなのかがわかります
- 実際になにをすれば良いか行動計画がたてられます
なんとなく、イメージは頭の中で夢や目標はあるものの「もやもや」としていて、いまいち具体化できないと感じるかたもいると思います。ばくぜんと、夢や目標を語るけれど実際に行動に移すにあたっていくら費用がかかるか?実際になにをすればいいのか?希望する目標を「夢」だけで終わらせるのではなく、現実にするために必要なスキルが「事務」なのだと言えます。

『生きのびるための事務』とは?
『生きのびるための事務』は、作家・坂口恭平さんが日々の暮らしの中で実践している“セルフケアとしての事務”を、漫画家・道草晴子さんの温かなイラストとともに紹介したエッセイ的作品です。本書が提案する「事務」とは、一般的にイメージされる会社の書類作業や堅苦しい業務とは異なり、自分自身のために日々の状態や気持ちを“整える行為”です。
たとえば、体調を記録する、カレンダーに自分だけの予定を書き込む、感情をメモする、小さな買い物リストを作るなど。これらの作業を通じて自分と向き合い、「不安」や「混乱」に飲み込まれないようにするのが、本書の提唱する“生きのびるための事務”です。
また、道具やノートの使い方、1日を見通すための簡単な記録術なども丁寧に紹介されており、誰にでも無理なく始められる工夫が詰まっています。特に、心の調子が揺らぎやすい人や、日常に漠然とした不安を抱える人にとって、自分の感情を“見える化”するこの方法は非常に有効です。
本書は、「事務」を単なる作業ではなく、自分を支える“ライフライン”として捉え直す視点を与えてくれる、やさしくも力強い一冊です。
『生きのびるための事務』のあらすじ
この本は、主人公(著書)恭平の実体験を元に書かれています。大学四年生の主人公は卒業を間近にひかえ、将来の進路に迷っているところからストーリーは始まります。「肌に合わない!」と、就職活動をしていない恭平は言います。
「誰かの命令を聞いて、やりたくないことまでして、その対価をもらうのだが、どれだけ頑張ってもやった分だけの対価がもらえるわけでもなく、昇給が頻繁にあるわけでもない。」
「それが僕の中での会社に就職して働くというものでした。」
「これでは退屈すぎると僕は感じていました。」
※「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(007ページ)」より引用
やりたいことはあるけれど、頭の中ではイメージはあります。ただ、ただ具体的に形にすれば良いのか?どう行動すれば良いのか解らずに恭平はモヤモヤしていました。
働くことに意味を見出せず、しかし就職以外に選択肢がないと思い、絶望していた恭平の元へ、ある日、彼「ジム」はやってきました。
「イメージできることは全て現実になるんだよ。ただ。誰もやっていないだけ」
※「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(010ページ)」より引用
と、ジムは言います。そのために必要なことは「事務」だと言います。
「≪事務≫とは、抽象的なイメージを数字や文字に置き換えて、≪具体的な値や計画≫として見える形にする技術です。」
「その≪具体的さ≫というものには命が宿るんですよね。」
「≪事務≫も人間も、植物と同じように成長するんです。」
※「坂口恭平原作、道草晴子漫画/生きのびるための事務(077ページ)」より引用
と、ジムは説明します。
本著、「生きのびるための事務」の中で話す「事務」とは「日常を整理し、困難に対処するための手法」といいます。具体的には以下の内容になります。
1:書く事務: 悩みや不安を紙に書き出すことで思考を整理し具体的化します。具体的な数値や文字にすることで、実際に向き合うことができます。
2:お金の事務: 収入と支出を記録し、経済的な不安を減らしていく方法を提案しています。大切なことは「お金のために働いてはいけない(ジムは労働といいます)。夢や目標の時間を確保すること(ジムは仕事といいます)に集中すること」
3:スケジュールの事務: やるべきことをリスト化し、行動計画を立てることで現実の課題と未来への不安を軽減します。
ジムと共に始まった生きのびるための事務。恭平は事務を実践することで自身の成長と結果を生み出していくのですが、あとは読んでのお楽しみに。
著者、坂口恭平さんのプロフィールについて
著書の坂口恭平さんは、1978年4月13日、熊本出身です。高等学校在学中に石山修武(早稲田大学理工学部教授)に憧れて建築家を志たことで、早稲田大学理学部建築学科に進学します。大学卒業後に、卒業論文として「路上生活者の家を建築学的に調査した内容をレポート」として発表しており、その内容をベースにした写真集『0円ハウス』『0円ハウス』(2004年)を皮切りにフィールドワークにもとづく著作を発表しています。
《PR:アフィリエイト広告を利用しています》
マルチなクリエイターとして
作家としては小説やルポタージュ、小説、思想書、写真集、画集や音楽集に料理書など多数な著書があります。又、画家や音楽家、建築家など多彩な活動を行うマルチタレントです。著書でも「未来の現実」は「好きなことだけ」で決めると話している通りのご活躍だと言えます。 又、坂口恭平さんは楽曲も作成されており、作詞作曲:坂口恭平で「松ばやし」を動画に挙げられていますので興味がある方はご覧になってください。
【動画「松ばやし」を観るなら:Bing 動画】
自ら「新政府」を樹立
2011年には、東日本大震災後の政府の対応に疑問を抱き、自ら「新政府」を樹立し、初代内閣総理大臣を名乗るなど、独自の社会活動を展開しました。また、自身が躁鬱病であることを公言し、2012年からは希死念慮に苦しむ人々との対話を目的とした「いのっちの電話」を、自身の携帯電話を通じて続けています。

「いのっちの電話(死にたい人であれば誰でもかけることのできる電話サービス)」は、2025年5月現在も自身の携帯電話で続けられています。
活躍は国外でも
坂口氏の活動は国内外で高く評価されており、2023年には熊本市現代美術館にて個展を開催するなど、アートの分野でも積極的に作品を発表しています。彼の作品は、社会的なテーマを独自の視点で捉え、実践的なアプローチを通じて新たな価値観を提示しています。
現在は熊本を拠点に活動を続けており、建築、文学、音楽、美術など多方面で創作を行っています。その多才な表現と社会への深い洞察は、多くの人々に影響を与え続けています。
漫画:道草晴子(みちくさ はるこ)さんのプロフィール
道草晴子(みちくさ はるこ)は、1983年生まれの漫画家・イラストレーターであり、絵画やグッズ制作、個展の開催など多岐にわたる創作活動を行っています。13歳で「ちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞」を受賞し、早くから才能を認められましたが、14歳で精神科病院に入院し、20歳までの長期入院生活を経験しました。
この波乱に満ちた半生を描いた自伝的コミック『みちくさ日記』(2015年)は、多くの読者の共感を呼び、続編『よりみち日記』(2020年)、『よりみち日記2』へと続きました。これらの作品は2023年に『完本 みちくさ日記』としてまとめられ、リイド社から刊行されています。
《PR:アフィリエイト広告を利用しています》
道草さんが描く作品の内容とは?
道草さんの作品は、精神的な困難や社会との関わりをユーモアと温かみのある筆致で描き出し、読者に深い感動を与えています。また、今作品でもある坂口恭平さん原作『生きのびるための事務』をコミカライズし、2024年にマガジンハウスから刊行されました。この作品は、日常の中での「事務」の重要性を再認識させ、多くの読者に支持されています。現在も精力的に創作活動を続けており、ギャラリーでの個展開催や、グッズの制作・販売など、多方面で活躍しています。彼女の作品は、個人の体験を通じて普遍的なテーマを描き出し、多くの人々に希望と勇気を与えています。
実践の効果:感じた変化と気づき
『生きのびるための事務』を実際に取り入れてみて、まず驚いたのは「書くこと」がこんなにも気持ちを整えてくれるという発見でした。日々の体調や気分を簡単にメモするだけで、自分の心と身体の状態を客観的に見つめ直すことができ、不安や焦りに飲まれにくくなりました。特に、頭の中が散らかっているときに「とりあえず紙に書く」習慣は、心の負担を軽くするシンプルで強力な手段だと実感しました。
また、ノートに予定やToDoを書くだけでも「今日はこれだけやればいい」と自分に許可を出す感覚があり、完璧主義や過剰な自己要求から少しずつ解放されていくのを感じました。できたことに印をつける行為も、小さな達成感を積み重ねていく大切さを教えてくれます。
著書、「生きのびるための事務」を取り上げようと思った一番の原因が、私も同じように「事務を実践している」からです。はじめは、国家資格に合格するために「事務」をはじめたことがきっかけでした。まさしく「未来の夢」を「未来の現実」に変えた瞬間です。
一見地味な作業の積み重ねが、日々を穏やかに、そして自分らしく過ごすための支えになっているのです。以前は「何もできなかった日」に自己嫌悪を感じていましたが、今は「今日も自分の声を聞けた」と思えるようになりました。事務が心の居場所をつくり、生きのびる力となる――それを実感できた体験でした。
やびっちょさんの「生きのびるための事務」
当時、無資格で介護業界に飛び込んだ私は特別養護老人ホームで働いていました。いわゆる「臨時職員」待遇で、早番から日勤。純夜勤で深夜0時までの勤務、深夜帯から翌朝までの深夜勤務をローテーションで働いても手取り、12万ほどしか収入がありませんでした。
介護職の給与は、労力の対価に比べて安い報酬の代表的な職業だと言えます。現在は「処遇改善加算」など、職員への待遇改善策として国は打ち出していますが、当時はそのような施策もない状況でした。
「時間給で計算される小の月。2月の給与は深夜勤務を含むローテーションをしても、手取りで10万円もありませんでした」
※今から20年以上前の話で、現在は処遇改善されており、給与も大幅に上がっていると聞いています。
その職場では、正職員になる条件として国家資格である「介護福祉士」の取得が評価基準と噂されていました。ですが、正職員の先輩はほとんどが「介護福祉士」を取得していませんでした。
いわゆる「上層部に媚を売るお気に入りの職員」や「身内に近い職員」が正社員に登用される環境でした。ですが、先輩職員の皆さんは、皆さんとても良い人たちで、当時は助けられてばかりいました。職場の人間関係も良く、介護という仕事に対してやりがいを感じていた私は「資格取得」へに意欲に燃えてやる気になっていました。
資格は身を助ける
国家資格の「介護福祉士」を受験するためには、実務経験として三年間の実績が必要です。介護職を始めて3年目に受験資格を得ることができました。「介護福祉士」の試験を申し込みをする際に、一年後の結果発表の日程に合格している自分をイメージして「介護福祉士を取得して自分はどうなりたいか?」という目標と目的をノートに書き始めることから始めました。
普段は、ノートに文字を書く機会なんてほとんどありません。ですが、思いついたことから書き始めました。やはり目標は「一発で合格すること」に視点を当てて、一つ一つ箇条書きで思いを書いていきました。
国家資格を一発で合格するには、どのように行動するべきか?を、さかのぼって「9か月後には?」から「6か月後」、「3か月後」と、逆算的に1か月後のスケジュール、一週間後、一日(毎日)のスケジュールと抽象的だったイメージが毎日の日課(今日、具体的に何をすれば良いか?)をノートに言葉として言語化(具現化)してく過程が楽しかったです。言葉にすることで、イメージが現実化しやすくなりました。目標までにやるべきことがリスト化されることは精神的な負担軽減になりました。
「労働」と「仕事」を見極める
スケジュールを達成するために、必要な労働(日々のお仕事)と収入、出費を最小限に抑えて、勉強(仕事)に集中する時間を確保する計画を立てました。特に無駄な時間(今なら、ネットやスマホをさわっている時間でしょうか?)を極力減らすことで、生活にメリハリもつくようになったと思います。
勤務形態がシフト制でもあったため、夜勤明けに眠った後は午後から勉強をする、休みの日は最低4時間は勉強時間を確保するなどスケジュール管理は徹底して行いました。また、勉強に集中できるように近くの図書館やショッピングモールのフードコートは平日が空いているので利用したりと、曜日と時間帯によって勉強場所も調整しました。
結果、「介護福祉士」の資格にその年の最高得点で合格。また、介護福祉士を取得する前の段階として計画していた、民間資格として「住環境コーディネーター2級」も合格しました。その後もキャリアを重ねながら「介護支援専門員(ケアマネージャー)」の資格も一発で合格。 福祉系の国家資格として「社会福祉士」まで同じ「事務」の要領で一発で資格を取得することができました。

次のステップが「自分で事業を立ち上げて独立する」という目標に取り組んだのが5年前になります。現在も軌道修正しながら「夢を現実にする」途中です。
結論:すべてに共通することは「生きのびるための事務」を実践し続けたから。
《PR:Amazonアフィリエイト広告を利用しています》
まとめとして
著者の坂口恭平氏とは年齢も近く、ブラック企業で働いていたことから過労で倒れてしまい三年近く療養していた経験があり著者に勝手に親近感を覚えています。どん底から、生きのびるための手段として、片っ端から本を読み自分の頭でのモノを考えた結論が「自分の夢や希望を文字(言語化)にすること。」、「抽象的なイメージを目標(具現化)にする」ことに行きつき、自分の行動指針にしてきました。
もうひとつ(ふたつ)だけ付け加えるなら「素直になる」ことも成長する上での前提条件だと言えます。「どうせ」とか「でも」など「言い訳という否定」から入る人に成功は難しいと思います。もうひとつが「とりあえず行動すること」です。
今の世の中は、恵まれているくらいに情報にあふれています。だからこそ、「生きのびるための事務」のような有益な情報にふれて「素直に実践し行動する。」たったこれだけで明日からのあなたは、10年後の「未来の夢」ではなく「未来の現実」を手に入れていると思います。「情報を読んで満足するだけの自分」から変わるのは今です。最後まで読んでくれてありがとうございました。また、よろしくお願いします。
《PR:アフィリエイト広告を利用しています》
【関連記事:「前田康二朗著、メンターになる人、老害になる人」を読んで知る教育論について【読書ブログ】】
【関連記事:佐藤優著、「40代でシフトする働き方の極意」を読んで解る~40代でシフトすべき3つの戦略について~】
【関連記事:Amazonオーディブルで教養を身につける3つのポイント】
《プロモーション:本ページはアフィリエイト広告を利用しています》

