こんにちは。やびっちょです。今回は、「ケアマネージャーが独立したら稼げるの?」をテーマに書いていきます。居宅介護支援事業所の閉鎖が話題になるなかで、「ケアマネージャーとして独立するのはいいけれど、経営を続けていくのは難しいのではないか?」などと、悩んだりする方も多いと思います。そんな方へのヒントになれば幸いです。

紹介がおくれました。沖縄県で独立型の居宅介護支援事業所を立ち上げ運営をしています。2020年に立ち上げて5年目になります。現在、私を含めて5名のケアマネージャーで勤務しています。
5年間、居宅介護支援事業所を運営をしてきた実体験を元にお送りします。
あえてこの記事では「ケアマネージャーを二名以上で運営することで特定事業所加算を算定し経営を黒字化させる」に焦点をあてて話を進めていきたいと思います。
結論:二名以上で運営するなら「特定事業所加算」を算定することで黒字化できる
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この記事はどんな人に読んで欲しいか
- 自分で事務所を立ち上げてケアマネージャーとして独立したいが稼げるの?
- 居宅介護支援事業所を運営していくうえで黒字化したいと考えている
一人で独立をするか?二人以上で独立をするか?
ケアマネージャーとして独立する上で一番イメージしやすいのが「一人ケアマネとして独立」することではないでしょうか?そこで、一人ケアマネのメリット、デメリットを挙げたいと思います。
一人ケアマネのメリットとして
- 自分のペースで仕事がしたい
- 人間関係にわずらわされたくない
- 自由な働き方ができる
など、ケアマネージャーとして自身の経験を活かし自分の裁量で運営していく。ケアマネージャーの働き方として理想のイメージだと思います。
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一人ケアマネのデメリットとして
- 自分が倒れたら事業所が回らなくなる
- 収入が不安定
など、ケアマネージャーの高齢化と金銭的理由が主だと思います。
「自身の年齢と共に体力と気力が落ちてしまい、以前の様に利用者の担当件数が持てなくなってしまった」
「利用者の急の入院や利用終了が続いてしまい経営状況が悪化した」
など、一人ケアマネだと避けられない状況も起こり得ると思います。
付け加えるなら、担当件数として持てる上限に限りがあるため、「売上を上げていくにも限界がある」ということも頭に入れておく必要があると思います。実際に知り合いの一人ケアマネを運営されている方で、プラン料だけでは採算が取れないので、副業(自費サービスを展開するなど)をされているケアマネさんもいました。
二人以上で運営するメリットについて
- 特定事業所加算が算定できる
- 自分が倒れても任せられる人材がいる
- 困りごとに対して相談ができる
やはり、特定事業所加算を算定できることが大きいと思います。困りごとに対して相談も出来る上に、新規依頼が立て続けに来た場合でも職員で分担するなどで機会損失を防げることも大きいと思います。何より、一緒に頑張れる仲間ができることはモチベーションを上げることにもつながります。
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二人以上で運営するデメリットについて
- 経営を軌道に乗せるまで時間がかかる
- 自由な働き方ができなくなる(人間関係やミーティングなどの関係から)
- 労務管理など本業以外でやることが増える(後ほど説明します)
デメリットでは、二人以上で運営する以上は自宅を事務所にするわけにはいきません。別で事務所を構えなければいけない。又、人件費の捻出など一人ケアマネに比べて固定費がかかります。特定事業所加算を算定する要件にミーティングの実施などの要件も加わります。職場の人間関係も含めて自由な働き方が必ずしもできなくなる場合もあります。

私の地域では、立ち上げから1年後に実地指導(当時)が必ず入るので、実地指導を終えたあとのタイミングで特定事業所加算が算定出来るように届け出を提出しました。
【関連記事:ケアマネージャーが業務を効率化するための5つの戦略】
ケアマネージャーが独立しても稼げるの?
居宅介護支援事業所を運営する上で、「かかる経費はどれ?」と挙げるなら「人件費」だと思います。実際に居宅介護支援事業所の固定費の8割が人件費になります。
実際に私がいくら役員報酬をもらっているか「令和6年度源泉徴収票」から見てみると…
前年度の年収は「518.1万円」でした。

沖縄県の平均年収は377.3万円です(全国46位)多いと感じるか?少ないと感じるでしょうか?
「代表」としての役員報酬(管理業務及び経営+ケアマネ業務35件)になります。頑張っている分の報酬は貰っていると思います。
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独立型、居宅介護支援事業所の経営を安定化させるまで
二人以上で居宅介護支援事業所を運営するメリットを「特定事業所加算」が取得できることだと説明しました。そのための条件として、一緒にやっていく仲間を増やさなければいけません。ここでは人員を増やすポイントに焦点をあてたいと思います。
- 人件費を含めた運転資金を確保する
- 新規依頼を受けて実績をあげる
- ケアマネージャーを応募し採用する
開所当初、私を含め二人で事業を開始しました。合同会社として、私が「代表社員」、もう一人が「執行役員」としての出発です。「運転資金」を確保し「実績を上げて」、「人材を採用する」と一言でいえば簡単にも聞こえますが、色々、課題もあります。詳しく見ていきたいと思います。
運転資金を確保する
法人を設立後、事業所の指定を取るといよいよ、事業の運営開始です。運営開始した後に事業を動かす資金を「運転資金」といいます。そこに「人件(役員報酬)費」も含まれます。
基本的に運転資金は人件費も含めて月商の三か月分ほどあれば安定した経営ができると言われています。

「そんなことをいっても、貯金もないし親戚や家族から借りられないよ!」という私は、「融資」と言う助け(専門用語でいうと「レバレッジ」と言うらしいです)が必要になりました。
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政府系金融機関からの融資を受ける
私が運営する地元の沖縄県では「沖縄振興開発金融公庫」と言う、政府系金融機関があります。民間の金融機関と比べてメリットが多いため、電話での面談の予約を入れて創業資金の相談に行きました。以下、メリットとして
- 金利も安く、契約時の金利が最後まで適用される「固定金利」であること
- 長期の返済期間が組めるので、毎月、少しづつ負担なく返済ができる。
- 事業が軌道に乗るまでの間、元金返済のすえ置き期間が設置できる
色々、書類を準備する作業(自身の経歴書や創業計画書など)や面談による聞き取り調査(実際に起業してから実績を上げる根拠を説明)で何度かやり取りがありましたが、事業開所ひと月後に400万の借り入れができました。初期の運転資金として大きく役立ちました。
結論:「借金は悪いこと」だと認識するかたもいると思いますが、借金を返済することで「信用」を得られると言う考えかたにシフトすると事業も大きく展開できると思います。
新規依頼を受けて実績をあげる
開業前までは前の職場で席をおきつつ、年休消化をしながら準備をしました。開業当初から多数の新規依頼を頂き、有難いことに開所半年で2人併せて50件近く件数を持つことが出来ました。他にも実績を上げる取り組みを紹介すると
ネットワークを広げる: 地域包括支援センターとの連携を中心に医療機関、地域の介護事業所と連携することで、新規依頼を紹介してもらうなどの協力体制を作ることが出来ました。
マーケティング戦略を立てる: 事業所サービスを広く知ってもらうために、ホームページやSNSを活用して情報発信を行いました。ホームページは求人活動にも役立ちました。
財務管理を徹底する: 収支のバランスを保つために、経費の管理や予算の設定をしっかり行いました。執行役員との経営会議を定期的に開催することで予算の設定と実績の情報共有は行っています。
実績を上げることの一番の秘訣は「どんな依頼でも断らない」ことだと思います。スケジュールの調整で苦労もしましたが、よほどでない限りは依頼を受ける方向で動いた結果、実を結んだと思います。

「要支援のプラン」や「困難事例」の依頼は経営効率が悪いとアドバイスを下さる方もいました。効率度外視で「頼まれごと」は「試されごと」だと思い積極に新規依頼を受け入れました
ケアマネージャーを採用する

スタッフを増員するため、ハローワーク求人や求人誌、ネット求人などいくつか募集しました。その中で反応がよかった媒体を3つ紹介します。
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その①:ハローワーク求人
採用に費用が掛からないことが魅力でした。求人応募を作成する際にも、ハローワークから直接ご指導があったため求人票作成の勉強になりました。応募を出した後もハローワークを通じて何名かご紹介いただきました。注意点として、ハローワーク求人の情報をみた民間業者からの問い合わせや営業が増えました。その中には詐欺行為に近い業者もいたので対応や注意が必要です。
その②:求人サイト「インディード」
ご存じの方も多いと思いますが、ネットで直接申し込み、求人内容を入力して応募をだすとWeb上に求人広告が公開されるシステムです。無料、無期限で求人掲載を載せることが可能ですが、掲載広告が多いため、検索順位が下がってしまい埋もれてしまうデメリットがあります。有料掲載の場合、クリックごとに料金が発生するクリック課金制を採用しており、予算に応じて広告の露出度を調整できます。実際にメールからの応募があり面接を経て採用に繋がりました。
その③:カイゴジョブ
カイゴジョブは、介護・福祉分野に特化した求人サイトです。実際に、周りで求人を探しているユーザーが登録していることが多く話を聴いていました。掲載数や掲載期間の制限もないのが強みでしょうか。採用が決まるまで料金が発生しないため、コストを抑えながら採用活動ができます。スカウトなどのシステムもあり、優良な人材を積極的に採用するなら一番、有効なサイトだと思います。
慣れない面接や、職員の採用が決まると社会保険の手続き、雇用保険の手続きなどが必要になります。ケアマネージャーの業務以外の業務に始めは手間取ることも多いと思います。スタッフ増員のタイミングは計画的に行うことが大事だと思います。本業(ケアマネ業務)と管理(労務関係も含めて)業務に割り当てる時間を確保することもポイントですね。必要に応じて専門家(地域の労働局や社会保険事務所)に相談してみるのも良いと思います。
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さいごに
ここまで、起業し事業所を立ち上げて運営を開始。運転資金を確保して実績を上げる。タイミングをみてスタッフの増員という流れで記事を書いてきました。特にスタッフの増員をしようと求人媒体に依頼をかけても応募が来ない…ということもあると思います。ケアマネージャーの高齢化に加えて、ケアマネージャーの仕事に魅力を感じないと言う現状もあり、ケアマネージャーを辞めていく方も多いといいます。
大切なことは事業所を運営する上で「事務所で働く上での魅力」をいかに発信できるか?がポイントになると思います。弊社であれば「在宅ワークができる環境」であったり、「カフェのようなおしゃれな事務所の雰囲気」であったり様々な取り組みを自社のホームページや求人の内容の中で発信しています。
【関連記事:「在宅ワーク」の功罪と「ケアマネージャー」としての働き方について】

最近では、ホームページ作成も格安で作成してくれる業者や無料で作れるソフトもあります。「こんな職場で働いてみたい」という「他の事務所とは違う魅力」を作り上げ発信していく工夫も必要になると思います。
以上、やびっちょでした。最後まで読んでくれてありがとうございます。
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