【レビュー】『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』―原点に立ち返る25周年記念盤の価値

ロックバンド

 スリップノット(Slipknot)がデビュー・アルバムの25周年を記念して、海外では9月5日に、日本では9月10日『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』がリリースされます。

 『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』は、単なる再発盤ではありません。オリジナル作品の衝撃を追体験できるだけでなく、未発表音源やデモを通じて「スリップノット誕生の瞬間」を深掘りすることができる特別なエディションとなっています。

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作品情報|『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』

リリース概要について

  • 作品名:『Slipknot (25th Anniversary Edition)』
  • 発売日:日本盤:2025年9月10日(WPCR-18747~8 / 2CD / 価格 3,300円・税込)
  •    :海外盤:2025年9月5日(2CD、2LP、デジタル配信)
  • 形態:日本盤:解説・歌詞・対訳付き2枚組CD
  •   :海外盤:2枚組CD、レッド&ブラック・ミックス仕様の2LP、デジタル配信
  • 特徴: リリース25周年を記念した新装アートワーク

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 本記事では、過去のリリースや関連アーティスト作品との比較を交えながら、その独自性と意義を解説します。

やびっちょさん
やびっちょさん

1999年、スリップノット(Slipknot)が世に放ったセルフタイトルのデビューアルバム『Slipknot』は、ニューメタルを象徴するだけでなく、メタル史そのものを塗り替える衝撃作として語り継がれてきたんだ。プロデューサーがKORNを世に送り出したロスロビンソンだったこともあって、発売当時、タワーレコードに買い求めに行ったことを覚えているよ。

娘

パパ!『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』の紹介と併せて、デビューアルバムを振り返りながら、バンドの経歴やプロデューサーロスロビンソンについても解説ができると良いね♬

『Slipknot (25th Anniversary Edition)』の独自性

 1999年にリリースされた衝撃のデビューアルバム『Slipknot』から25年――。今回発表された『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』は、ロス・ロビンソン(Ross Robinson)プロデュースした1999年発表のオリジナル・アルバムに加え、未発表音源を含む貴重なデモ音源やオルタネイト・ミックス等が収録された2枚組CDです

 特にCD 2には、バンドがレコーディングスタジオに入る前に録音していた7曲のオリジナル・デモ音源(うち3曲は未発表)と、著名なミキサーであるJay BaumgardnerとUlrich Wildに依頼した当時のテスト・ミックス音源4曲(未発表)が収録されています。

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収録内容 CD1: オリジナル・アルバム(1999年)

Ross Robinsonプロデュースによるデビュー作『Slipknot』を完全収録。
トラックリスト:

  • 742617000027
  • (Sic)
  • Eyeless
  • Wait And Bleed
  • Surfacing
  • Spit It Out
  • Tattered & Torn
  • Me Inside
  • Liberate
  • Prosthetics
  • No Life
  • Diluted
  • Only One
  • Scissors

CD2: デモ & オルタネイト・ミックス

  • Indigo Ranchスタジオ入り前に制作されたデモ7曲(うち3曲は完全未発表)
  • Jay Baumgardner、Ulrich Wildによるテスト・ミックス4曲(未発表)
  • ボーナストラックとして「Purity」「Eeyore」を収録

トラックリスト:

  • Wait And Bleed (Demo)
  • Snap (Demo)
  • Interloper (Demo)
  • Despise (Demo)
  • Only One (Demo)
  • Me Inside (Demo)
  • Prosthetics (Demo)
  • Surfacing (Jay Baumgardner Mix)
  • Only One (Jay Baumgardner Mix)
  • No Life (Jay Baumgardner Mix)
  • (Sic) (Ulrich Wild Mix)
  • Purity
  • Eeyore

 さらに25周年を飾る新装アートワークも加わり、ファンにとって“原点”を改めて味わうことのできる唯一無二のエディションとなっています。

娘

25周年記念作品の中から、未発表音源である「Prosthetics (Demo)」「Me Inside (Demo)」が現在公開されているよ♪

【Prosthetics (Demo)を観るなら:Slipknot – Prosthetics (Demo) [OFFICIAL AUDIO]

【Me Inside (Demo)を観るなら:Slipknot – Me Inside (Demo) [OFFICIAL AUDIO]

未発表音源・デモの収録 ― 創造の源泉に迫る

 『Slipknot (25th Anniversary Edition) 』の最大の価値は、これまで封印されてきた未発表デモ音源を通じて、バンドの誕生過程を生々しく体験できる点にあります。

 スタジオ入り前に録音された7曲のオリジナル・デモ(うち3曲は完全未発表)や、著名ミキサーによるテスト・ミックス4曲が収録され、ファンにとっては資料的価値の極めて高いラインナップとなっています。

 特に注目すべきは…

  • Prosthetics (Demo)
  • Eyeless (Demo)
  • Surfacing (Demo)

 完成版と比べると荒削りで攻撃的な質感が残っており、スタジオでの洗練を経る前の“アイオワの混沌”をそのまま記録したかのようです。

やびっちょさん
やびっちょさん

Wait and Bleed (Demo)」では、後にグラミーノミネートを果たす代表曲の原型が聴ける点で、ファンの分析対象としても興味深い楽曲なんだ♪

娘

未発表の「Only One (Demo)」「Interloper (Demo)」は、これまで公式には出回らなかった幻の音源なんだって。バンドの初期アイディアの幅広さを証明しているようだね!

デビューアルバム『Slipknot』音楽スタイルとテーマ

 1999年にリリースされたスリップノットのデビューアルバム『Slipknot』は、当時急速に広がっていたニューメタルの枠を大きく超える革新的なサウンドで世界を驚かせました。

 本作はニューメタルを基盤としながら、デスメタルやスラッシュメタルの獰猛さ、インダストリアルの冷徹な質感、さらにはラップメタル的なリズム感までを融合。

 9人編成ならではの構造的な厚みを活かし、ツインドラムや複数のパーカッション、ターンテーブル、サンプル音源を重層的に組み合わせることで、従来のメタルには存在しなかった“カオスの壁”のようなサウンドスケープを生み出しました。

やびっちょさん
やびっちょさん

コリィ・テイラーのボーカルは怒りや攻撃性だけでなく、内面の脆さや葛藤をさらけ出し、リスナーに強烈な共感と衝撃を与えたんだ。結果として『Slipknot』は、単なる過激なメタル作品ではなく、人間の闇と感情をそのまま音に刻み込んだ歴史的名盤として、ニューメタルシーンの中でも唯一無二の存在となったんだよ。

娘

デビューアルバム『Slipknot』の話を聞いているうちに、初期のプロデューサーを務めた、ロス・ロビンソンという人も気になったよ。どんな人なんだろう?

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名プロデューサー、ロス・ロビンソンの功績

 1999年にデビューアルバム『Slipknot』をリリースしたアメリカのヘヴィメタルバンド、スリップノットは、その衝撃的なサウンドで一気にメタルシーンの中心に躍り出ました。

 彼らを世界に押し上げた大きな存在が、プロデューサーのロス・ロビンソン(Ross Robinson)です。

 彼は「ニューメタルのゴッドファーザー」と呼ばれ、KornやSepultura、Limp Bizkit、Soulflyなど数々の名作を手掛けたことで知られています。

やびっちょさん
やびっちょさん

当時、ロスの元には「Korn」のような作品にしてくれと言った依頼が数多くあったそうだよ。ロス・ロビンソンは「Korn」の初期2作品を手掛けたことで世界的な知名度を手に入れたんだ。

娘

1990年代、ニューメタルと言われた時代を創った、コーンやリンプビズキッドといったバンドのプロデューサーを務めたなんて、ロス・ロビンソンはすごい人だね!

ロス・ロビンソンの経歴 ― ニューメタルのゴッドファーザー

 ロス・ロビンソンの名前が広く知られるようになったのは、1994年にプロデュースしたKornのデビュー作『KoЯn』でした。このアルバムはニューメタルの幕開けを告げ、以降のラウドロック・シーンに決定的な影響を与えました。

 彼のサウンドの特徴は、「生々しく荒々しい音」にあります。ピッキングのニュアンスや演奏の衝動をそのまま封じ込めるゴリゴリの質感は、当時主流だった整ったメタルサウンドとは一線を画しました。

 こうしたプロデュース手法により、Limp BizkitやMachine Heathe Cureなど、ジャンルを超えたバンドから支持される存在となりました。

やびっちょさん
やびっちょさん

Limp Bizkitの1stスリー・ダラー・ビル、ヤ・オール$(Three Dollar Bill, Y’all$)では、フレッドのボーカルがジョナサン(Korn)バリのブチ切れた具合に加えて狂ったラップが印象的だったなぁ。遠慮なしに入ってくるスクラッチは後のスリップノットにも活かされたと思うよ。

娘

ニューメタルの雄でもあるDeftones(デフトーンズ)は、同期のKornと音楽性で比較されることを嫌い、Limp Bizkitの二番煎じ「ラップメタル」と揶揄されること嫌って独自の路線を築き上げたんだよね♪

Slipknotデビュー作への参加経緯

 1998年、Slipknotは新しいデモ音源を制作し、代表曲Spit It Outを中心にレコード会社やプロデューサーに売り込みを開始しました。

 マネージャーSophia Johnの協力で、このデモがロス・ロビンソンの手に渡ります。彼はバンドに強烈な可能性を感じ、自身のレーベル「I Am Recording」と契約。さらにRoadrunner Recordsとの契約を後押ししました。

 ロス・ロビンソンはSlipknotの音楽的方向性を変えることなく、ライブの激烈さをスタジオで再現することを目指しました。

 その結果、レコーディングは混沌としたプロセスとなり、ドラムはわずか3日で録音完了。さらにギターソロなど実験的要素を削ぎ落とし、ストレートかつ攻撃的なメタルサウンドを打ち出しました。

 Joey Jordisonと共にデジタルではなくアナログ機器でミキシングを行い、生々しさを徹底的に追求しました。

やびっちょさん
やびっちょさん

ロス・ロビンソンはデビュー作『Slipknot』(1999)に続き、2ndアルバム『Iowa』(2001)もプロデュース。『Slipknot』でバンドの爆発力を叩きつけ、『Iowa』ではさらに過激で暗黒的な世界観を構築したんだ。

娘

これら2作品は「新たなメタル時代の扉を開けた名盤」と高く評価され、Slipknotをニューメタルシーンの最前線に押し上げる形になったんだよね♪

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まとめ:25周年盤の歴史的意義

『Slipknot (25th Anniversary Edition)』は、デビュー作を単にリマスターするのではなく、未発表音源やデモを通じて「スリップノットが生まれた瞬間」を追体験できる特別な記念盤です。

 過去のスタジオ・アルバムが進化を刻んだ記録であり、ライブ盤やベスト盤が熱狂や総括を映したのに対し、本作は「創造の根源」に光を当てています。

 スリップノットというバンドを理解する上で欠かせない、歴史的・資料的価値を持つ作品といえるでしょう。

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やびっちょさん
やびっちょさん

Slipknotの25周年盤をきっかけにバンドの作品にふれる意味でもおすすめな1枚となっています。興味を持たれたかたは是非、彼らの音楽に耳を傾けてみて下さい。

娘

スリップノットの楽曲は「レコチョク」でもダウンロードすることが出来ますので、気になる作品や楽曲は1曲からでも購入可能ですのでご視聴ください♪

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やびっちょさん

【名前】やびっちょさん
【経歴】沖縄県で独立型の居宅介護支援事業所を立ち上げて運営しています。
【資格】主任介護支援専門員・社会福祉士・介護福祉士・住環境コーディネーター2級・産業ケアマネ2級・終活カウンセラー2級
【趣味】読書と音楽鑑賞。年間200冊は読みます。歴史小説や思想哲学、自己啓発本をつまみ食いしています。※プロフィール画像は娘(7)作

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